ますむらひろし作品集第14巻 オーロラ放送局 2 - いつの間にか悪党のウニ頭親分と主人公の美優が仲良くなっていてびっくりします。いきなりデートとかしだすし。プクトの影が薄いなあ。放送局なんてどうでもよくなってきます。美優は工場や土地を持ってまるで資本家のようになっているし何なんだ。なお、ウニ頭は憎めない悪党の役割はきっちり果たしますが、頭はあまりおかしくないので、物語をカオスに導く力はありません。そう考えると『夢降るラビット・タウン』の骨平太は偉大でした。

恋文日和 1巻 - 誤配や匿名性がテーマの連作短篇集です。恋文をモチーフにして、かつ現代社会の中で物語を作ろうと試みた場合、どうしてもその辺りがテーマになってしまうのでしょうか。ただしどれもよく出来ています。でも好きなのは「郵便屋の恋」で、これは誤配や匿名性から離れたちょっとありえない感じの古典的な設定ですがそれが良い。ほぼ設定オンリーの短篇で盛り上がりには欠けるけど。