東浩紀講演「情報社会の思想」

世界文明センター発足記念講演会
東浩紀「情報社会の思想」

渦状言論に当日使われたスライドがアップされています。
http://www.hirokiazuma.com/archives/000276.html

はじめまして

風邪気味なので鼻をかむなどお聞き苦しいところがあるかもしれない
90分講義で30分質疑応答にする
世界文明センターの最初の講演会ということで緊張している
猪瀬直樹さんの前座みたいなもの

自己紹介
93年くらいから文芸誌とか思想誌に文章を載せていた
大学院生とライターの中間の仕事をしていた
ジャック・デリダについての博士論文が本になったので
一般的な人には現代思想の人だと思われていた
でもアイデンティティとしてはサブカルチャーと情報社会

「情報自由論」中央公論連載未完
情報技術とセキュリティと社会
別の評論集に収録される

「自由を考える」2003年、NHK出版
環境管理社会
対談で一冊まるまる使っている

2004-2006 GLOCOM主査
学者とか技術者とかが集まった研究会
講義録の量が膨大で出版元がみつからない

研究の中心は
ポストモダンを情報社会の理解に役立てる
工学的にデザインされていく21世紀の社会の理解

ポストモダン思想は過去のもの
しかし全て捨てることなしにそのうちのいくつかによって
21世紀の社会をうまく理解できるのではないか

今はポストモダン思想の研究はやっていない
道具として使っている

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今日の要旨 ・ポストモダン化  多様性に対する絶対的な寛容 ・情報技術の環境への埋め込み  ユビキタスとかなんとかかんとか  インターネットやケータイに取り込まれた私達の生活 この2つはお互いに支えようになる この構造を一言で表すと環境管理 ポストモダン化、環境管理の進行 動物化への埋没 # 今日は大変口と喉の調子が悪い
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ポストモダン思想とは 生き方というか文化全体 思想というよりも時代の雰囲気、時代精神 パリの60年代で爆発的にいい仕事が集中 しかしパリだけではない 70年代にアメリカに輸入 すごく浅く、実践的に使われていくようになる フェミニズムポストコロニアル、など アメリカ型の消費文化、カウンターカルチャーなどが背景にある 左翼的、批判的、美学的言説 映画というのが決定的 映画から社会批判を読み取っていく 日本では知の流行が早くどんどん変わっていく しかし英語圏ではそうではない 基本的にはポストモダンは低調だが日本に比べれば息が長い 社会学や文化研究の最先端の研究者はポストモダン的なものを含んでいる 今日のテーマは「知の全体性の喪失」 大きな物語がなくなるということ 大きな物語というと、 次のような反論がある 大きな物語がなくなったのは結構だけれど 物語がなくなったわけではない 文明の衝突や カルト的なものとかも含めて 色んな人が物語について語っている しかし みんなが大きな物語を共有して信じるべきだ 僕は資本論いいとおもうんだけどね、みたいに ひとそれぞれだったらすでに大きな物語はない 語られている物語が少なくなるわけではない 物語は復権していない 大きな物語の喪失に対するアレルギー反応がでている
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情報社会の思想には大きく分けて2系列ある 東が勝手に分けていることだけど ・監視社会論  人文系  個人を追跡、責任を追求  ビッグブラザー ・知識社会論  経済、経営系  グローバルな経済 ■監視社会論としての情報社会論 楽天ビックカメラ、10%還元 ポイントを確保するためにある一箇所で買わなければいけない しかしプライベートな購買履歴を一箇所に譲り渡している このようなことに鈍感になっている むしろ喜んでいる 自発的な監視社会 英語圏では監視社会研究などもあった 参考文献 D・ライアン「監視社会」 資本主義のある種の発展の必然 しかし左翼的なイデオロギーとも結びつきやすい 例えば住基ネット ■知識社会論としての情報社会論 未来学(トフラーとか)から始まった ポスト産業社会において知識の売買が社会の原動力になっていく 一時は地盤沈下していたが90年代にIT革命とともに復活 複雑系創発 自由な主体が誕生 エンパワーメント、力を持つこと ばらばらな知識があつまってWikipediaになる 典型的な議論は「ウェブ進化論」 全く新しい自由を人間は獲得できるだろう 進歩主義的な楽観論とも結びつきがち
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基本的にはこの2つの見方で見られてきた 情報の密度は圧倒的に高くなる 監視とみるか、知識とみるか 権力に焦点、産業に焦点 これらとは別にハッカー主義というものあるが 今日は省略する すごく簡単にいうとハッカー主義は 自由主義、しかし 一人一人が技術をもってビッグブラザーに対抗
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東はポストモダンを研究しながらネットをしていた はたして情報技術は人間を幸せにするのか、という疑問を持つようになる 先に今日の結論を言うと、 情報技術は人間を 動物的には 幸せにするが人間的にはあやしい 人間の動物的な快楽にはすごくうまく働く 自動販売機で缶ジュースを買う Amazonでのおすすめ りんご好きなの?じゃあ次はバナナ食え これまでの商品の吟味とは異なっている Googleトライアングル 人間はその3角形しか動いていない 下のほうは見ていない 次のページもみない その3角形に載っている広告は高い 判断材料なくその広告をクリック 生理的なもの これまでだったらチラシをいっぱい作る インターネットが出現することによって 目線の集中する箇所に広告を置くようになる Googleがあればいろんな情報が手に入るので吟味できる でも違う あまりにも情報量が多いので 限られた視野が生理的に選ばれる 選択の自由を増進しない 人間がどこをクリックするか どんな字が見やすいか そういったものが秩序を作っていく 快を増やすが 自由や世界性の感覚を奪う 94年から大学院生時代 99年に終わり この間、本の買い方が変わった 1993年くらいの段階ではフランス語の本を東京で買うのは難しかった 新宿西口郵便局の近くの雑居ビルで注文 ここを先輩に教えてもらうしかない 93年くらいに大学外でフランス語の現代思想を研究しようにもわからない しかし94,95年から通販が始まる 急速的にシステムが整えられた Amazon等 圧倒的に変わった 物理的な本屋に対する依存度が圧倒的に下がっている 東はフランス現代思想だったが 映画や音楽でも同じようなことが起こっていたのではないか 情報技術は本を買う苦労は減った 快は増えた でも人間性というのは快を増やすだけではない しかし人間は動物なのだからいいのではないか…?
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今日は時間が限られているので1つの切り口から 規律訓練(discipline) -> 環境管理(control) ■規律訓練 フーコーは「監獄の誕生」で近代社会は 一望監視施設(パノプティコン)だと言った 囚人は監視から見られているかどうかわからない 常にみられているのではないか、 ということを内面化せざるをえない これが近代的主体の特徴 経験論的超越論的二重体 フーコーは色んなこととこれを組み合わせた 軍隊、学校、病院 病院では、朝の病院食、昼間の病院食、夜の病院食 時間を管理されている 生活そのものの管理 教育の目的とは違う 近代社会はとにかく スケジュールをしつける 9時に工場が動き出す 全国の全ての工場が動き出す 定刻に昼休みを食べて終わったらみんなが一気に帰る 時間的同時性 新聞やテレビもこのような時間的なリズムをつくる フレックスタイム制の導入が明らかなように コンピュータプログラムの場合は時間的同期は有効ではない でも近代人は12時になったら腹が減らなくても飯を食う みんな3食食べる なんで? 何かの思い込みに過ぎないのではないか 自分で自分の時間を律する社会 オーウェルの「1984」のビッグブラザーと類似 架空の監視社会の話 ビッグブラザーは実はいない みんなが居ると思っていることが大事 誰も監視していなくてもいい 自分で自分を律して社会維持のコストを低くしていく 1995、6年の頃 援助交際が話題の頃、 予備校で英語教師をやっていた 年々高校生達が壊れていく感じがした 授業の時間の前に教室の外で待っている ある時、 廊下で寝てポテチを食って授業を待っている人がいた 廊下で寝てはいけない、と張り紙をするなど コストがかかってしまう 寝るなとはどこにも書いていないけど みんな常識的に寝ていなかった この前提が壊れてしまうと 外では寝ている 入っても授業中ガム食ってジュース飲む この状態を前提とするとコストがかかってしまう 自分を律することは社会のコストを下げている 95年は阪神大震災が起きた 高校生達は神戸の場所を知らない 起きたことすら知らない子もいる 神戸はどこかときくと仙台を指したりする 地理取ってないとか、そういう問題じゃないんじゃないか 人生には関係が無い 神戸に親戚がいるわけではない 新聞が、これは大変、関係がある、というプロセスをつくる ケータイコミュニケーションが世界の中心 阪神大震災で何千人死のうが関係ない 関係があると思わせているのはイデオロギー 壊れるときはすぐに壊れてしまう 単に自分を律するだけではなく 社会と自分を関係付ける 社会の視線を内面化する 倫理観、道徳、教育、 欲望を律する自分を作る みんながこれをインストールしていた 朝ごはんを食べる、教室では座る 社会全体でこれをやっていたのが近代社会 罪を犯す可能性はあるがこれを意思で克服する ■環境管理 ポスト近代社会では 超自我をもてなくなっている ナショナリズムが復権、教育基本法の改正問題もあるが、 基本的には日本国民のために死ねという教育ができなくなっている 世界の中にはいろんな意見がある、だから面倒、勝手に生きてください 今は景気が回復しているのでゆり戻しがあるかもしれないが 5年くらい前だったら 将来どうしたらいいかという高校生には 大企業に入れとはなかなか言えなかった モデルがすごく多様化している このような社会ではどうやって秩序形成をするのか 倫理観では無理 環境をうまく制御することによってモチヴェーションを作っていくことによって制御 少子化問題産む機械 女性は子供を産むもんだ、という意見は通らない 産んだ方が得かなと思わせるような政策を打っていくしかない たぶん税金を圧倒的に免除するくらいしかないのではないか そういう解等しか私達の社会は編み出せない 再教育して子供を生むのは正しい、といったことは無理 生涯の賃金コストのグラフとか作って子供作った方が得だよ、と 統計的な操作をやる 飲酒運転はまずい 酒を飲んだら車を運転しない、と標語を貼るなどは近代的なやり方 罰金を極端に上げる、 車内のアルコール濃度が高いとエンジンがかからない車を作る これはポストモダン的なやり方 僕達の社会は後者を良いと思い始めている 良いか悪いかは別 ついこの間までは人を管理しようとは思っていなかった 性犯罪者の話 20年位前は更正させる しかし今の世論は、 再犯罪率が高いからアメリカなどでは実名をオープン 住民にもオープン、GPSを付けるなども考えられる かつての社会はちゃんと教育しよう、 私達の社会は、人間的に鍛えなおすのは無理、 加害者に対して税金かけても無駄 というようなことを考え始めている ここに大きなパラダイムチェンジがある suicaPASMO 一昔前にキセルというものがあった 中学生とかが良くやるやつ 東が中高生の頃は横行していた # 最近の子供は知らないのかな # 最近小学生は電話のダイヤルが出来なくなっている # 回せない 今はキセルが物理的に難しい 被害額も少ないので話題にはならないけど suicaとかってよく超過して取っている 何処から何処までいくら払っているのか ほとんど気にしなくなる お金の取り方を変えると人間の意識も変わる
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なぜ環境管理型社会が台頭するのか 近代社会 主体、国民として教育する国民国家 秩序を保つ必要があるから教育をする 近代の前は国の実態はなかった あってももっと緩やかなものであった 近代は無理をする 一千万二千万を集めて同じ言葉を喋らせる 優秀な学生を東京に集めるためには 鉄道も教育も必要 一人一人に東京に行って成功する事を教えなければいけない あちこちで人類は無理をしていた 強制によってさまざまな悲劇もあった 他者を内包してコンセンサスを作り出していく時代でもあった 近代国民国家では 同性愛者には 未だ若いからそういうこともあるよ、風俗行こうぜ 今は普通に奥さんがいて、あの頃は過ちだったと思う これが成熟 近代国家は面倒見がいい 今は ネットとかで同性愛者のコミュニティに属する 別のコミュニティに属して幸せを追求する この権利を私達は認めている 別の形で言えば排除 あなたはあなたの価値観で勝手にやっててください 理念的には文句は言えない だからひきこもりやニートも増える 働かない、働きたいけど働けない そういう人が居る 近代では無理やり働かせる 更正させる 鬱で死ぬかもしれないけど 今では 極めて繊細になっていて 目的を見つけるまでゆっくりやっていけば?みたいな アドヴァイスしかできなくなっている 個人の問題ではなく 社会の必然 基本的に放置 ばらばらに勝手にやってください 肯定面・リベラルな社会 否定面・個人に責任、ネオリベラリズムな冷たい社会 同じこと 例えば他者を排除するとはいっても、 GPSで性犯罪者の位置を知らせれば 社会のリスクにはならない それでも付き合ってくれる人としか関わらない 本人にとっては幸せなのではないか ある特定の人たちを一箇所に集める 地理的な囲いこみしか昔は出来なかった ネットによって、空間的ではないゾーニングができる 社会空間をうまく調整できる 9.11が起きたときにWTCでは すごい金持ち、貧乏な掃除夫もいる 普通の生活をしていたら絶対に出会うことはない ビルが崩れたときだけ運命を共にする 私達の社会はこのような社会になる 掃除夫の使うエレベータと金持ちの乗るエレベータが違う 同じ空間に他者がいるということも気が付かない 昔だったら 警官がやってきてホームレスをどかす 今は ホームレスの家を立たせないように三角形のオブジェクトをおくなど むしろセキュリティゲートのようなものを公園に置く 一般人はゲートの存在にすら気が付かないが ある種の人たちを排除できる リバタリアン(徹底した個人主義)の人たちは ニューヨークの公共機関が荒れている 誰もコストが払っていないからだ この公園は月3ドル払っているやつしか使えない、 そんなふうにして維持費を捻出すればいいと主張 昔はこれは無理だったが 情報技術によってかなり可能になった 個人認証されない人は入れなくなる 環境管理社会の典型的な例 ■技術と社会の共進化 いろんな人間を放置しつつ秩序を保つ 例えばGoogleがネット全体を制覇しているわけではなく 個々人によってまったく見え方が違う これがインターネットの特徴 インターネット全体というものはない 2chだって極めて多様、2ch全体というものはない 「インターネットは民主主義の敵か」 インターネットはコンセンサスを作るのではなく 多様な意見がすみ分けられて強化される あるタイプのインターネットユーザーは日本人の若者は韓国大嫌いだと思っていて 彼らにとってはインターネットはそういう空間に見えている 同士はすぐに見つかる 自分の価値観を増幅してしまう装置 目の前に全然違う価値観の人がいるのだから話さなければという 気が起こらなくなる ユビキタス技術は権原理論を実現する(?)という話 情報技術によって、 税金を納めていない人は図書館を利用できない、 といったことは十分にあり得る 1人の人間がどれだけ社会に貢献したのか 細かい管理が可能になる しかしホームレス、不法外国人就労者など無視できない数いる 今の社会システムでは 税金を収めている 年金を納めている 免許証 これらは全く別に管理されている こういうことを全部潰すと 隙間で生きてきたホームレスなどはどうなるのか
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3つの未来社会像 ・保守主義+近代回帰 ・リベラリズム+アイロニーリバタリアニズム+工学的管理         リバタリアニズム       /          \ リベラリズム            保守主義  ↑人格的自由↓      ↓経済的自由↑          権威主義 二律背反的なリベラリズム保守主義 しかしリバタリアニズムは人格的自由も経済的自由もマックス こんなんで社会は維持できるのかと誰でもそう思う ここでこそ工学的技術を使う
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「工学的に自由」というのはどういうことか 三浦展さんの「下流社会団塊社会の下流の典型 インターネットをしてポテチを食べてetc… これは俺じゃん! 経済的、世代的格差ではなくライフスタイルの問題 動物的快楽に埋没することの醜さを言っているのではないか 三浦展さんの本には写真がたくさんある これが弱点 希望を失って若者が電車で寝ている写真とかあるけど 起こしたらIT企業家かもしれない! 生活スタイル事態は資産額の格差に比べてすごく近い 良い事なのかもしれないし悪いことかもしれない 金持ちも貧乏も同じ話題で盛りあがれる 全く格差は無い 実際の収奪関係が隠蔽化されているともいえる また、多様なライフスタイルが圧縮されているともいえる 郊外化、ファスト風土、生々しい消費社会の現場 下北沢のような匂いのある街はテーマパークでしか存在しなくなる これは下流の問題ではなくいろいろな問題が絡んでいる 人間工学的にやさしいデザインは ファスト風土化、ジャスコ化となる ドンキホーテは安全じゃないかもしれないが… 安全で人間工学的にやさしいデザインは ホリエモンでも年収300万のオタクでも楽しめる 最大公約数を維持しようとしたら無個性な街しか作れないのではないか ポストモダン化の当然の帰結 ここら辺の話をもっとしたかったが時間が無いので端折る
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工学的自由+環境管理型社会の諸問題 ■権力の不可視化、非人格化 Amazonのリコメンデーション 各個人が向かいたい方向に向かえるアルゴリズムを用意しました Amazonがこれをベストセラーにするぞ、というビッグブラザー的な誘導はしていない 洗脳と自己決定があいまいになる ■コミュニティの相互不干渉化 見たいものしか見れない 情報のフィルタリング 世界全体で何が起きているかほとんど無関心になれる 「認知限界」 mixiのチェックやってたら朝日新聞なんて読む時間なくなる 世界のことはよくわからず身近なことばかり良く知る ■自由意志は? 積極的自由vs消極的自由 選択肢はたくさんある、という自由に向かって邁進してきた 選択肢があまりにも多くなると むしろ自由ではなくなる 選択することに意味がなくなる 店が3件ならともかく3万件の中から選択なんてできない 自由な意思決定の前提には メディア的条件、技術的条件が入り込んでいる 選挙なら3人の候補者から選ぶ、など 住民投票にするのは技術的には簡単 ネットでアンケート取って人気高かったらこの政策通すみたいな こういうことをやったら政策的には不安定になるはず でも人は意見が代わりやすい いつ何時にインターネットで投票を行う 直接民主制として好ましいように思われるが そこに向かって様々なキャンペーンが張られて不安定になって なんとなく上にあったから、なんとなく赤い字だったから投票 情報がなかったからこそ自由意志が成り立っていた
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ハンナ・アーレント ・活動 人間が世界性を持つ、他者への配慮 ・仕事 ・労働 生きていくためだけに行う コンビニでバイトするときに他者への配慮なんてない 機械になってやっている これが労働 遊び=労働 ・Wikipediaオープンソース 一人一人はやりたいことしかやっていない でも全部集めるとすごいことになる 集める技術が情報技術 一人一人は全体性を持っていない 全ての知を誰一人知らなくてもいい 知の全体性は存在しない 東も良く使っているので Wikipediaを批判していくわけではない では全体性はどうなるんだろう セキュリティ (se + cure = without care) の上昇 配慮しないこと 心配しないこと 世界への配慮というものがなくなっていく セキュリティマンションに住んでいたら ホームレスを気にしなくてもいいようになる このような社会の中で 他者への共感可能性はどのように維持していくのだろうか
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質疑応答 「あなたは哲学者ではない!」 「それは質問ではなくて意見ですか」 「共感可能性に興味領域をつつくことによって関心を持つように操作できないのか」 「まあそういうことしかできないだろうけど、具体的にはどのような?」 「mixiの背後でいろいろな操作を…」 「それは圧倒的に支持されない解。2chで祭りになって終わりですよ  動物的な祭りでしか盛り上がれない技術しか今はない、  と考えれば明るい未来が考えられるかもしれない」 「他者への共感可能性は持たなくてもいいのでは。なぜ必要なのか」 「人間は生物的に増えるから。  世代的連続性、親からの遺産があるやつ、悲惨なやつ、本人には理由が無い  特定の児童がランダムに虐待されている  人は平等でスタートしていない  この歪みを戻すために共感が必要  虐待は正義じゃない  親であるから引き受けていることなどは合理性で動くことではない  この歪みのなかで不幸な人たちになっている人に対する共感がなかったら  経済的な保証をするシステムを作るだろうけど  人生の歪み、ランダムで起こる何かに対しては保証できない  そういうものを埋め合わせるために共感や身体的連続性が必要  もしみんながアトムな主体であれば共感は必要ない  まだあまり考えていないけどもうちょっと巧く言えるのではないか」 「偏差を認識しなければ埋めようとする意識も働かない  埋めて欲しいという意識も働かないのではないか」 「他者への共感は個人レヴェルでは必要ないけど  種のレヴェルでは必要なんじゃないかな  群になって生きていってずるずる続いていく  これが安定して生きていくために必要なのかなあ  まだよくわからない  親は誰にでもいるから身体的連続性は持たざるを得ない  これが徹底したリバタリアニズムへの抵抗点になるのではないか」 「日本の中で生きていた人々、国籍を変えてしまった人、  全く違った国で生きてきた人々  それぞれ感じていることが違うのではないか  日本をどのような国によりよくしていきたいのではないか  という意見が必要なのではないか  法律も歴史も今の国としてのパワーの違いがある  この日本だけでしか生きてこなかった人は  カナダの人の生き方はわからない  抽象的に言われてもわけがわからない」 「これは世界文明センターの研究結果ではない  この国をどうしたらいいのかという点は?」 「日本には問題が大きすぎる  地獄みたいな中で生きている私達が幸せになるにはどうすればいいのか  how toを出さないとどうしようもない」 「それは一人一人の問題なのではないでしょうか  私が喋ることではない  敢えて言うなら  美しい国とかそういうことは言うべきではない  ニートがいても社会はうまく動く」 「他の国のニートはどうなのか  放送大学によると日本だけの現象だということが云々」 gdgd