郵便的不安たち#

郵便的不安たち# (朝日文庫)

郵便的不安たち# (朝日文庫)

短めの評論がたくさん。文章の難度にかなり幅がありますが、東浩紀のデビュー評論である「ソルジェニーツィン試論」が一番難解です。さっぱり意味がわからない。やはり若い頃はとことん難解な評論を書く(書いてしまう)ものなのでしょうか…?

第一部の状況論はどれも楽しく読めました。現在の東浩紀の情報社会論にすんなり繋がっていく感じがします。ただし今と比べるとかなり抽象的な議論になっています。

第三部のサブカルチャー評論の中では、やはりエヴァに関するものが面白い。「日本には、アニメに関する批評が存在しない」「現在、まともな関心に値する日本の商業アニメーションはほとんどない」など、ノリノリです。

「オタクから遠く離れて」「暗号と言霊」といった自分語りも、他ではあまり読めないので貴重です。