世紀末の作法

角川文庫。短い文章がたくさん載っています。長い文章を読むと疲れてしまう自分のような人間には相応しい本です。しかし、短いということはそのぶん凝縮されているということです。宮台真司の文章は一般誌向けのものでも密度が高いので、知能が低いと論理を正しく追えません。読解力に欠ける自分のような人間には相応しくない本です。しかし、様々な雑誌で書かれた文章のため、同じ内容が何度も繰り返されます。同じ内容が繰り返されると、いくら読解力がなくてもだんだん話が分かってきます。結局、密度はそんなに高くないし、総ページ数は400ページを超えるので、それなりに疲れてしまいます。とりわけ自分に相応しくも相応しくなくもない本でした。

それにしても、社会問題に対する既存のアプローチが如何にダメであるか断定調で語る宮台真司はやはり格好良い。リアルタイムで読んでいたら間違いなく信者になっていたと思います。そしてテレクラに足繁く通うことになったに違いありません。しかし文章の影響力の低下した10年後の現在ならば、良くも悪くも安全に読むことが出来ます。

鈴木光司による解説はつまらなすぎ。