ペルセポリス/監督:マルジャン・サトラピ,ヴァンサン・パロノー/2007仏米

極めて政治的な内容だと思っていました。『ぜんぶ、フィデルのせい』のような。確かに、国の混乱に主人公は巻き込まれます。しかし巻き込まれるだけではなく、「パンクは死なず」と書かれたジャケットを着て、反体制的な姿勢を隠そうとしません。自分から歴史に巻き込まれに行く。しかしヨーロッパに逃亡。そんな中展開される話はどういったものか。なんと、『だめんず・うぉ〜か〜』だったのです! これは衝撃。

だめんず・うぉ〜か〜』ですから、自伝(あるいはノンフィクション)だと分かっていれば、納得できる物語だけど、そうでないと、で続きはどうなんだ、この主人公の行く末は?と問いたくなります。また、やはり『だめんず・うぉ〜か〜』ですから、主人公が幸せになれなかったのは、本人の性格に依るところが大きすぎて、革命の悲劇が薄れてしまうのは気になりました。

表情豊かなアニメーションは良かったです。これは満足。

『思想地図 vol.1』で伊藤剛が、作者のサトラピには日本の漫画アニメの影響はない、みたいなことを書いていたような気がするけれど、作中でゴジラ観ているし、本当にそうなのでしょうか。