ロングロングケーキ

例によって既にほとんど読んだ事がある模様。記録によれば「いちょうの実」と「山羊の羊の駱駝の」以外は既読。だけどやっぱり忘れてしまっているため、楽しく読めました。良いのか悪いのか…。

宮沢賢治原作の「いちょうの実」は、ほぼそのまんま。原作も台詞ばかりなので漫画化はしやすそうです。原作にない台詞はちょっと浮いているように感じられました。「どこかに落ちたあと 顔がゾンビに なるってほんと!?」とか、現代っ子が混じっているようです。

「山羊の羊の駱駝の」は、おかしな主人公が破滅へ向かっていく話。表面的なトーンとしては、主人公の頭がおかしすぎるため、そこまで暗い印象は持たないのだけど、実際すごく酷い話だと思います。暗く描こうと思えばいくらでも描けそう。特に母親が辛そうではないですか。この頃の作品の暗さは、主人公の周りの人間がかつてよりリアリスティックになってしまったからかなあ。これはこれで好きです。