学校

学校 (OHTA COMICS)

学校 (OHTA COMICS)

短編集。読んだのは文藝春秋から出ていたやつだけど内容は太田出版のと変わらないのかな。

とりあえず表題作の「学校」は素晴らしいです。同時並行に話が進んでそれぞれ微妙に絡んでいる、というだけなら他にも類似作はたくさんあるのだけれど、それに加えてエピローグ以外はコマ割りが完全に左右対称になっています。これは格好良いですね。もっとも、コマ割りが左右対称だからといって、鏡像的な話が展開されているわけではありません。殆どが左から右へと時間が繋がっています。要するに普通。しかし時々、正反対の台詞を左のページと右のページで喋っていたりして、左右対称コマ割りの可能性の片鱗を見せてくれます。この漫画自体の完成度はさておき(十分に高くはあるけれど)、漫画の文体だけから、もっと面白いことが出来そうなんじゃないかと想像が出来るところが素晴らしいですね。

他に面白かったのは「ファンシー」。ペンギンが健気で良いです。町野変丸原作の「いいわけ」は何度読んでも最後の意味が分からない。