心の迷宮 上下巻

連作短編。小学館の雑誌で連載し単行本も小学館から出た他の作品(『遠くにありて』『ルームメイツ』)とは違い、なぜか集英社から文庫が出る謎。差別的な扱い(かも)ですが内容は面白いです。

単行本の1巻は数年前に読んでいるのだけど、当時よりも話の意味がわかるようになりました。「かいつぶり」とか「冬支度」とか。年を取ったということでしょう。全体的に、複数回に跨って続く話よりも、単発の話の方が良いですね。

ところで、単行本とは違い、台詞に「看護婦」という言葉が出ているところに、「※現在の呼称は看護師です。」と注が付いています。こんな一般人の発している言葉にわざわざ注を付けるか? というかこのキャラクターは現在の呼称が看護師であろうと関係なく看護婦って呼ぶだろ、と思ってしまいます。それに、看護婦と同じ意味を伝えようとするなら「看護師」ではなく「女性看護師」にしなければなりません。