夢みる機械

夢みる機械 (サンコミックス)

夢みる機械 (サンコミックス)

サンコミックス版。ジャンプスーパーコミックス版とは収録作が結構違っているようです。軽快なノリの短編集。

表題作は、シリアスで怖い漫画なのにも関わらず、近所の勉三さんみたいなキャラクターはコントのような台詞を喋るし、受付嬢はエドはるみのようだし、ギャグ漫画としても遜色ありません。内容は非人間が世界を埋め尽くしている話。「地獄の戦士」や「子供の遊び」も同じテーマを引き継いでいますね。もちろんどれも実は全員がまともではありませんでしたオチですが、それ以上に、代替可能な人生に対する苛立ちが共通点として特筆すべきところでしょう。

「ど次元世界物語」は明らかなギャグ漫画で衝撃的ですが、「のぼり階段を くだっちゃった」というネタは新しすぎる。このような不条理空間歪曲ネタは、映画などの他のメディアに比べて漫画はとてもラクなはずだけれど、あんまり読んだ覚えがないなあ。

「地下鉄を降りて」は空間描写がとてもうまい漫画。最後のページが良すぎる。