コミュニケーションをデザインするための本
- 作者: 岸勇希
- 出版社/メーカー: 電通
- 発売日: 2008/09/03
- メディア: 単行本
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ほぼ事例紹介。計算された広告コミュニケーションはエキサイティングでぐいぐい読ませます。間違いなく楽しい本です。本の結論としては、うまくやるには良く考えるしかないってところなんだろうけど、煮詰まった時に頭を整理できるくらいには理論化もされています。
今後の展望の章があるのだけど、そこでは「生命として情報を与える」なんてモロに動物化な事が書いてあって、もちろん昔から何度も言われていることでしょうけど、少なくともこの方向性はまだまだ変わることはない、と言うことができると思います。隅々まで浸透する環境管理。よく出来たコミュニケーションデザインに、就中電通に、人々はコントロールされてしまうのでしょうか。
しかしそう簡単には上手くいかないものだと想像されます。それは何故かというと、本書の多くの事例でも活用されているクチコミは正のフィードバックがかかるものなので、小さなノイズがその後の結果に大きな影響を与え得るだろうからです。緻密に計算されたコミュニケーションデザインを動かしても、その結果はどうしても偶然性に左右されてしまいます。緻密で複雑であればあるほど。そこをどう乗り越えるかを考えてばかりいます。