存在論的、郵便的

存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて

存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて

3年間授業に粘着しておいてこれを読まずにいたのはやはりおかしいので読む。疲れました。でもやっぱりこれはとても面白い本で、ついつい内定者アンケートの好きな本欄に挙げてしまいました。読み終わる前に! まあそもそも自分は本をろくに読んでいないので、そこまで思い入れのある一冊もなく挙げる本に困るのです。

議論がどういった方向に行くのかわからないまま議論が始まり展開していくスタイルでとてもわくわくして読めますし、その進め方も恣意的とも取れる誘導に接近したり離れたりを繰り返しアクロバティック。しかし哲学に明るくない自分でも腑に落ちるロジック。高校の頃友人から借りて読んでいれば、今の自分はもっと知的になれていたと思いますが、しかし同時に超越性の罠にかかって年中そういうことばかり考えて生きていく羽目になり(これは否定神学の罠ではないか、etc)、就職もできず困ったことになっていた可能性もあるので、ある基準から見ると良かったのかもしれません。