ゼロ年代批評night

タグがlectureなのはどうかという感じですが、東さんの講義と同じようにレポうpします。録音とかしてないので正しくメモれているかわかりません。こんなこと言ってない!とかあったら指摘して下さい。

[筑井]
筑井です
今回のイベントは東浩紀ゼロアカ道場の門下生が集まって
どんなことを批評の未来に考えているのかガチでバトル

改めて挨拶
筑井真奈です
集まってくれてありがとうございます
門下生と昼間さんにご協力いただいて開催の運びとなった
不手際もたのでお詫びさせていただきたい
盛り上げていきたいと思う

 他4人登壇
 藤田わざとらしくこける

[坂上]
はじめさせていただきます
2部構成
1部においてはゼロアカについて
2部はこれからの批評の未来についてアツい議論

自己紹介
坂上秋成
道場破りとして参加
公式サイトに顔写真すらない
かわいそうな子
温かく見守ってほしい

[やずや]
こんばんは
やずやと申します
最初にお礼
文学フリマではご来場ありがとう
次の関門に向けて頑張っているので応援してください
今夜もよろしく

[藤田]
僕が舞城王太郎です

……
藤田直哉といいます

[三ツ野]
三ツ野陽介です
よろしくお願いします
まだ大学院生
最近では大学院の方でもゼロアカで出てることを指摘されている
どうなることかと思いつつすごしている

[筑井]
筑井真奈です
もう紹介したんでしゃべることはない

[坂上]
それではゼロアカについて
まずはそれぞれ得たもの失ったものについて

[藤田]
4次関門で落ちた
ザクティ動画
醜態を晒す動画で有名になった
ある程度の知名度は得た
指差されてお前が藤田かとか言われる
モミアゲじゃモテないとか叫ばれた
失ったのは尊厳、人間としての何か

[坂上]
尊厳ね
わかりました
藤田動画に残念ながら登場して友達が減った
特に女友達
彼女も減った
1から0になった
まあ減った
男友達も失った
友達の山田あずさくんと参加していた
僕だけが勝ち残った
結果
麻雀にも来てくれない

[藤田]
すごくどうでもいい

[坂上]
今日も誘ったけどお腹が痛いんで欠席
得たものもある
友達を得たというニュアンス
批評について語れる
若手の批評家志望の人と話せるのはプラス
今まで独学
自分の文章はイケてるのか不安だった
でも太鼓判をもらえて自信がついた

[筑井]
客観的に見れる指針のひとつにはなった

[坂上]
周りからの評価が得られた

[筑井]
うpされているので叩かれたり褒められたり
知り合いに読んだと言われたり結構あった
自分中心ではなく周りからの視線を担保できるようになった

[三ツ野]
坂上さんは出力を客観的に評価という話
僕はものを書くというときに、
全能感、すごい文章を書けるはず、しかし今の自分にはこの程度、そういうことが障壁だった
ゼロアカに出ると、いろんなことを諦めた
僕の文章はこのくらいなんだな、まあそれでもいいか、みたいな
こんな感じで頑張っていけばいいやという諦め
結構ポジティヴな諦め
ものをかくうえで大切な諦めかな
それが得たもの
失ったものはいろいろある
第三関門で落ちた
失ったものしかなかった気がしていた
しかし敗者復活繰り上がり、
もっと別の道に進む可能性を失った

[やずや]
得たものは書く面白さを体感できた
あだ名
ミャンマー人、東南アジア系の人に似ていると2chとかニコニコで書かれた
毎朝鏡を見ているとそういうふうに思えてくる
ビルマの竪琴でもやるか
失ったことはあんまりない
むしろ得ることばかりでいつかやばいかも
こんなに勉強させてもらっている機会はない

[筑井]
やずやさんに質問
やずやさん以外の4人は文系
やずやさんだけ理系
理系と人文では種類が違う
やずやさんは人文寄りのことをやってどうだったか

[やずや]
もともと蟻の研究をやっていた
世界初の発見とかをしていた
蟻の足から油を出して天井を歩く
本とかちゃんと読んでいないまま批評に出会ってしまった
他のメンバーはもともと文系の勉強をしていていろいろ学ばせていただいて発見があった

[坂上]
みんなゼロアカでメンバーに思っていることはいろいろある
みんな語っていこう

あれですね
ザクティ動画みたことある方はどれくらいいる?

ゼロアカどれくらい知っていますか?
知らない人いますか?
 手を挙げさせる
ゼロアカ知らないのに来た人もいる!

[藤田]
知らない人は藤田は病気シリーズを観ていただければ

[坂上]
藤田動画にでていたキャラは下衆
出ていない人はかっこいいポジション

筑井、藤田は下衆
三ツ野、やずやはかっこいいクール

僕も最初はクールだった
藤田の磁場に巻き込まれてしまった
僕も下衆の仲間入り
ある種の親近感

[三ツ野]
藤田動画見ていない
友達を失ったということを具体的に聞きたい

[藤田]
何が悪かった?
非難轟々だった
飲み会のひどい会話

[坂上]
僕の友達というのは批評やっているという人ばかりではない
耐性のないピュアな女の子とか
youtubeで検索
うわっとなる

[藤田]
もう一人峰尾さんという方がいて
学食とかで指差されたりしたらしい

[坂上]
高田馬場の本屋で凝視されたりした

[藤田]
通りすがっただけでプッとかやられたりした

[坂上]
動画にはメリットもあった
批評は文字の世界
ある種の醜態
批評家というのが単なるエリートではなく実際はこんなもの

[藤田]
馬鹿な側面、人間らしい側面
とんねるずの楽屋ネタみたいなもの

[坂上]
シンボルからイメージへ橋渡し
藤田さんには感謝をしている

[やずや]
動画については僕が用意する前提を作ってしまった
4次関門始まったときには僕も動画をやっていた
全部藤田さんに飲まれてしまった
焦っていた
確かにずっと藤田さんのことを意識していた
持ってかれると思いながら自分の仕事もしなきゃ
個人的には藤田さんはライバル
僕は話が滑るので今みたいな空気になる
そういう自意識を批評にぶつけて大勝利

[三ツ野]
僕も藤田君の話になる
藤田動画は見ていない
文学フリマ前に2ch東スレッドをみた
藤田君が書き込んでいた
降臨するのはいいんだけど、ライバルたちの悪口っぽいことを書いていた
藤田直哉という人は勝つためなら手段を選ばない
がつがつしている
怒っていた

当日ほとんど会ったことがない藤田君と会った
僕はムスッとしていたと思う
朝テンション高い藤田
どうせ藤田君が勝つんだろうなーとムスッと

[藤田]
悪口言いまくって僕はどういう結果になったか

[三ツ野]
東さんと太田さんの採点で結構勝負がきまった

[藤田]
最下位に終わった

[三ツ野]
藤田君の隣の席で売っていた
そのときの藤田君が延々とこの点数は関係ないんです、
とずーっと言っていたのを聞いていた
だんだん可哀想になってきた
それから今日まで何か言い合ったりしつつ
結束固まり友達増えて良かったな

[筑井]
友達減ったりしてないの

[三ツ野]
減ってないですね

[藤田]
筑井はまあ飛ばすとして、
やずやミャンマー
坂上はかっこつけ
三ツ野はまじめ
峰尾はうろうろ
村上は偽クール

僕は落ちて他のメンバーは第4次間門通過している
他のメンバーは車に轢かれたりして辞退しないかな
それが答え
車に轢かれてくれ

[坂上]
偽クールとかっこつけはどっちが上?

[藤田]
偽クールのがちょっと上

[やずや]
道場破りの方と会えたのが大きかった
わらわらと周りから今日のイベントにも来てくれて
それもメンバーだと思っている

[藤田]
リアルニコニコ動画みたいに野次飛ばしていいんじゃないか
ちょwみたいな
坂上死ねとか

[坂上]
がんがんビールとか飲んで
ひどい暴言を吐いてくれても柔らかく

[藤田]
坂上死ねと言われたらまじでへこむと楽屋で言っていた

[筑井]
特に言うことがない
同人誌に一番のライバルは三ツ野陽介と書いた
変な意味ではなく三ツ野さんの文章には惚れていた
3次関門で三ツ野さんが落ちて悲しんでいた
三ツ野さんは6こくらい年上だったりして怒りを覚えている
何でそんなに若い顔してるんだ

[藤田]
筑井さん35くらいに見える

2chカイジと言われている
漫画のざわ…ざわ…というやつ

[筑井]
あれを撮ったのは峰尾
カメラマンが悪かった

三ツ野さんが復活してくれてとても嬉しい

[三ツ野]
1次関門で筑井さんの文章はなかなかいいなと当時から思っていた
4次関門で筑井さんと組んでいた可能性は高かった
ただその後の展開を見ると怖かったなと
今はやずやさんで良かったと思っている

[坂上]
文章についての話が出た
みんなの文章をみていて思っていることもあるだろうけど
同人誌の話でもしてお互いの文章について話そう

[三ツ野]
講談社BOXも出るし

[筑井]
同人誌について語りましょう

[三ツ野]
坂上さんの話
坂上さんの同人誌を読んでまだ若い世代にこういう人っているんだと思った

[坂上]
わかる
こんなオールドタイプ
頭の堅苦しい小僧がいるんだなという話

[三ツ野]
ボルヘス、グリッサン
これって10年位前にフランス現代思想系の流れから来ている
伝統を受け継ごうとしている人が早稲田にはいるんだ

[坂上]
早稲田ってわけでもない
まわりと話しても噛み合わない
でもその指摘は当たっている
批評空間、それ以上に早稲田文学の影響
ヌーヴォー・ロマン蓮實重彦
現代風にアレンジして『Plateau』を作った
早稲田文学はフリーペーパーになる前から読んでいた
そこからの影響
無理矢理硬派
あとは意地
インタビューとか寄稿とかなし
売り上げを考えたらもっと他にあった
途中から他の人たちがインタヴューしているのを見て腹が立ってきた
東浩紀もこの意地で倒す

[やずや]
道場破りが怖かった
門下生はだいたいこれやってんだなとわかる
秋成さんはサングラスとかで出てきてどんだけナルシストなんだ
SHAZNAか、黒夢か
怖いなあ
いい意味で怖かった
筑波批評社とかも知らない固有名が出てきてやばいなあと
僕は一人
三ツ野さんが出てきてネジが締まった

[筑井]
道場破りが入ってきて緊張感が高まった
ぶっちゃけそんなに脅威には感じてなかった
正直いうと誰も通らないだろうと

[坂上]
なめられている感はバシバシ伝わってきた

[筑井]
今はそんなことはない
第三次まで一緒にやってきた人はなんとなく性格、路線をつかめている
道場破りははじめまして
新文学の人たちはブログで見てたけど
筑波批評社のustとか全然知らなかった
色々な人がいると知ることができた
『Plateau』は表紙が素敵

[藤田]
『Xamoschi』という雑誌なのに
ざもすきさんが仕事しない
これを覚えて帰ってほしい

[坂上]
相方の山田あずさと決裂という結末

[藤田]
マジ喧嘩

[やずや]
喧嘩できるだけいい

三ツ野さんとはまろやか風味
徹夜でInDesignの作業してたら
三ツ野さんは可愛い彼女とか連れてきてええーっ

[藤田]
これねえわ、みたいなのは?

[やずや]
ジャージとか

[藤田]
何でジャージ

[三ツ野]
最近サッカーとか好きだから

[藤田]
すっごいつまらない答え

[坂上]
意地で自分たちの文章だけでやったけど
『ケフィア』はいきなり巻頭に「egg」のモデル

[やずや]
東さんと太田さんにつまらない、意外性がないと言われてから
色々考えた

[坂上]
ゼロアカは結構閉鎖的
非モテ空間

[藤田]
いい加減にしろ!
非モテなんていない!

[坂上]
この顔の男がのさばっている空間がモテ空間であるわけがない
そこに「egg」のモデル
ケフィアに関しては素直に尊敬

[やずや]
僕は坂上さんのやり方を尊敬

[藤田]
負けて悔しかったので
昨日まで読まなかった
あの日の屈辱が蘇る
ほんと破り捨てててやろうかと
昨日初めて読んで面白かった

[坂上]
ここで第5次間門の抱負

審査員筒井康隆
僕にとって衝撃
中1の時初めて買ったのが筒井康隆さん
それからほとんど読んでいる

[藤田]
これを筒井さんが聞いて喜ぶみたいな?

[坂上]
尊敬とかとは別の次元で自分に影響を与えてきた方が審査員
興奮が強い

坂上の本を読んでみたいと思わせたい

[やずや]
僕が2番目に優勝しそうと言われている
それがプレッシャー
正直ここまで残れるとは思ってなかった
テンパリながらやってきた
頑張るしかないな
何で頑張っているのかよくわからない
やれるだけの力を出してやる
坂上くんみたいに教養はない
アイディア勝負、意外性で戦う

[藤田]
僕はとばしてください

[三ツ野]
出したい本のプレゼンをしてくださいということ
第3関門の課題も似たようなもので本の要旨
落ちた関門と似たようなものだから心配
だけど頑張ります

[筑井]
何故私が批評をやるのか
自分の中のわだかまり、違和感、それを言葉にしたい
そして納得し、落ち着ける
自我について、セクシュアリティ、
勝つことも目標にしてやっているが
自分の人生の中で何が問題か、何が納得いかないのか
問い詰めてやっていく
人生かかっている

[藤田]
客席にいるのに通過者は藤田直哉君ですと言われて壇上に進んでいったら落とし穴

[坂上]
第5次間門には全く希望のない藤田さんですが、
もみあげを沿った後に映画に出ていた

[筑井]
同人誌の裏表紙の下の方を参照
暇な人は探してみてください

[藤田]
ここで出演女優の大塚さんがいらっしゃいました
服の時点で我々と違う

[大塚]
みんな批評が大好きなんだなと

[藤田]
女の子も大好きです

[大塚]
筑井さんと個人的に友好を結んだ

[筑井]
コアマガジンで取材させていただいた

[大塚]
こんなゼロアカ道場のアイドル的存在とは知らずに

[藤田]
負のアイドルですよ

[大塚]
監督の方も紹介させていただく

[増田]
こんばんは、増田です
映画をプロデュースしたり監督したり
これは今回10月にクランクインした映画で
素人の乱
革命的非モテ同盟
こういう人たちを題材にした貧乏映画
貧乏でニートっぽいやつ

[藤田]
それで呼ばれたんですか

[増田]
痛いめがねの若者が観に来てくれた
ただのニートの兄ちゃんかと思っていたのに批評家とか

[大塚]
(会場限定同人誌の)表紙にもなっている

[筑井]
『おやすみアンモナイト』
これがゆうばり国際ファンタスティック映画祭に招待された

[増田]
大トリ上映
昨日初号試写をやった
ロスジェネの編集委員の評論家がの方が試写に紛れこんでくるというので隠れた
批評家嫌い

[大塚]
藤田さんが批評家だと初めて知った
役者かと思っていた
こちらが本業なんだなあと

[増田]
演技がうまい
存在感がある
今日のトークもさすが

[筑井]
ゆうばり以外にスカパーでも放映されるので是非

[藤田]
不審者みたい

[増田]
不審者だと思っていた

[藤田]
(会場限定同人誌の)プロフィールのスペック欄
生年月日、性別聞くとかセクハラ
そういうことをこの世から追放していかなければ
とりあえずセクハラはいけない
最終学歴とか
皆さん東大ですから馬鹿にされている

[やずや]
僕は大学院早稲田だから

[坂上]
では予告編

 映す

[増田]
ありがとうございました

[大塚]
批評待ってます

[増田]
よろしくお願いします

[筑井]
この辺で第一部終了
10分間の休憩

[藤田]
重大な発表があります
僕とラルクさんでM-1に出ます
コンビ名 類似神
ラルクは脚本送ってきている
間違いなく一次で落ちる

[坂上]
正直ドンびいている

[藤田]
Tシャツまで作った
限定10部
1枚2万円
今日は先行発売
今なら胃薬付けるのでお買い得
本来なら4万円くらい
原価は500円

  • -
[坂上] それでは第二部 ここで雑賀さんからのビデオメッセージ [雑賀] 阿佐ヶ谷ロフトのみなさんこんにちは 雑賀壱です >意気込み とりあえず正統派は求められていないと思う 異端でいく >なんでここにいるのか 批評はいまいちよくわからない 小説がはしり >批評 面白い 虚構を使わず語れる >文学とか芸術 話がなくなったとかネタがきれたことはない 生き様 盛り上がっているなら結構です [藤田] 批評の現在にいきましょう [坂上] 批評の未来について [藤田] こんなんやってて批評の未来はこない 人間性が君たちは歪んでいる [坂上] 戯言は放置 次にいく 同人誌の、雑賀さんの書いた《これからの批評のあり方》 「批評の大衆化が止まらない」 ここにいる5人全員が思っている 明らかで避けられない 一億総表現時代 ブログを持ってしまえばみんなに発信できる 僕自身としてはそれ自体は悪いことではないが、 情報を伝達することと情報の解釈、批評が混同されるのはまずい [三ツ野] 今の話はよくわからなかった [筑井] 情報しか流していないカトゆーさんとか個人ブログ あれは批評かというとそうでもない 批評はもっと骨太、端的には長いテキスト [坂上] 暴力的な表現を使えば批評と呼ぶには足りない文章 それを書いて批評家と名乗るのは良くないと思っている 批評の強度が必要 [藤田] 批評の中で優れているものと優れていないものがあるってこと? 全部批評といってもいい 優劣があるというだけでしょ [坂上] どうやって優劣を付けていくかということ [筑井] どういうものに藤田さんは心をひかれるのだと思う? [藤田] 面白いものは面白い 強度を判断しているのは誰か 物事を強度を判断している仕事の強度を判断していくとどんどんメタにいく 批評家を承認するのは誰か [坂上] 当然メタ的に連鎖は進む おそらくそれを自分のところで堰き止めるのが批評にとって必要 [やずや] 価値基準なんですか? 自分が書き始めたのは自分でも分かっていないことにどうアクセスするか そこで批評の言葉 よくわからないことに対して言葉を与える 人によって小説だったり 査定するというよりは、わからないもにどうアクセスするか、筋道、方法、そこに至る道 [坂上] それは今日配った同人誌でもやずやさんが書いている 哲学をする [やずや] 批評史とか勉強暦が浅い しかし課題を書かないといけない 知識レベルでは勝てない どうすればいいか 今までなかった言葉を捏造、そして整理 捏造というかたまたま思いついてしまった 意外と道筋が見えてくる そこが面白い [藤田] 基準は自分が面白いと感じたということ 坂上さんは? [坂上] メタ的に連鎖していくのを止める それは何で止めるか 自分にとってストップがかかっている状況を如何に他の人を説得するか [三ツ野] 何を止める? [筑井] 価値判断をするということの正当性を担保するものはどこにあるのか [藤田] 坂上は、私で止める [三ツ野] 価値判断という話をすると、 批評と書評の違いを考えている 書評は格下というわけではない 価値判断は書評かもやる それと批評は何が違うのか [藤田] 違わないんじゃない 坂上君は違うと思っている [坂上] そうですね [三ツ野] 僕は違うと思っている 作品をもっと大きな文脈に関連付ける、良し悪しを超えたもの 批評を通して作品を読むと面白い [筑井] 大きな文脈のなかで位置付ける 蟹工船、現代のロスジェネという文脈に置き換えて新しい光を当てる [三ツ野] それでもいい 日本文学史を紐解いてみると文芸批評がほとんどプロレタリア文学批評であった時代もあった マルクス主義的に良いか悪いか そういう評価は良いなかったかもしれないけどもっと大きな文脈で位置づけられていた [坂上] それはイデオロギーとかそういうもの? [筑井] この作品は自我をよく描いているからいいという時は 自我を根拠、自明なものという前提があるから言える イデオロギー性に無自覚はなのは危険なのではないか [三ツ野] 自覚的に基準を提出することもある 書評とかレヴューは快感原則に則った価値判断 [筑井] 三ツ野さんは快感原則に則った批評は良しとしない? [三ツ野] それも重要だけど書評であって批評ではない [坂上] 何を持って批評かどうか 伺っていきたい 批評を行う際の価値判断基準 自分が面白いと思う 批評をやる上で重要か それは分けて考える 僕は『CLANNAD』は大好き しかしこれが批評的に重要だとは思っていない 『恋空』は面白くないけど批評的に論じなければまずいだろうという意識がある 自分たちがこれまで考えてこなかった文法、言語規則 それが一定の顧客数を獲得しているという状況 論じないのは批評的にまずい [三ツ野] ケータイ小説を1冊も読んでいない ケータイ小説論は5、6冊読んだ みんな面白いと思って論じてはいない なんでこんなつまらないものが [坂上] 東浩紀さんの話を出すと、 大抵の人はつまらないと思ったらつまらないで片付ける 東さんは 自分がつまらないと思っている作品を論じて何が悪いんだとい言う 嗜好と論じるべき対象を分けている これは大抵の人にはできない難しい作業 [筑井] 駒場はすごくそういう場所 中国映画を観てる先生がいる つまらない映画をたくさん観ている なんでつまらないものを観るのかというと 批評しないと中国の農民の生活がわからない 何かに位置づけないといけない それが琴線に触れるならば幸せ 貴重なこと 『Air』が名作で良かった良かった しかしそれだけでは強度が足りない 自分の好きなエロゲだけやってこれすげーと言っても その下には凡百のつまらないエロゲ [三ツ野] つまらない作品を面白いかのように論じるという話? [藤田] 社会的な文脈に位置付けるということ [坂上] 位置付けは確実に批評家にとって一つの仕事 メジャーな作品がどうなのか マイナーな作品を掘り当てる [藤田] マッピング屋でいいじゃん [三ツ野] 文学史的に重要という価値判断があった ところが現代文学史なんて書けるのか 昔の批評家は文学史を書くという作業をやっていた 世代性が担保している 何々グループとか名付けて 次の世代がそれを乗り越える でも今の作家はそういうかたちで登場しない [筑井] 私たちは5年後くらいにゼロアカ世代として括られる ニューアカの後の東浩紀の後に出てきたという言い方をされる [藤田] そのときに文学史を書けると承認された人が決める 教科書の執筆者に誰が選ばれるか [三ツ野] 昔は文芸批評史というものがあった 東浩紀という人が柄谷を乗り越えて出てきたという感じはしない 無視して今東浩紀という人がいる 文芸批評史がなくなった 宇野さんなんかは乗り越えてというのがあるのかも でも今は難しいと思う [坂上] かなり的を得ている 柄谷行人近代文学の終わりを言って途絶えている 小説に関しても歴史の連続性、進歩史観は失われている 浅田彰の講演 20世紀の文学は何だったか 〜を通過、通過、乗り越える文学があったはずなのに 綿矢りさのような大正時代の小説 歴史は断絶している 批評家は簡単にOKサインを出すべきではない [筑井] やずやさんに質問 理系の話を振ってしまう ポストモダニストがいっていたように 進歩史観的なものの見方が失墜している でも理系のやっていることは新しい発見を常にやり続けて その段階をずっとやっている 勝手な印象 どうか [やずや] 歴史性がなくなったという話はある ちょっと違う角度から思うのは 大きな文脈に位置付けることが不可能になった時に批評家は2つのパターンがある パラドックスから嗜好が始まる 事故言及のパラドックス 自分が躓いて作っていく ニコニコ動画のMAD職人みたいに歴史とか関係なく繋げる 僕はMAD職人的になってきている 工学は工学史があるわけではない MAD的にこのセンサを組み合わせてすごい良いのができた 言葉の世界とは少し違う 工学的に歴史と戦おうという意識はない ガチャッとやってみたら面白いんじゃないか 単純に身体の快楽、MAD職人的快楽でやっている [藤田] 東工大の彼らは進歩とか未来とか考えている リゾーム的な領域と未来への時間間隔を持っているのが 両立している [やずや] 科学はまだまだそういうのがある 理系って一括りすると分からないけど 色々な理系がいる 歴史性を剥ぎ取って、MAD的にやっていく 躓きから始める、差異と反復、ぐるぐるやっていく 歴史性に無理矢理接続すると痛い感じになる 僕がここに残っていること自体がパラドックス 早稲田の文芸専修の人達がガチで残っていればまだ物語がある 僕みたいにジャンクなやつがいて遊んでいるのはやばいのかな [坂上] 今のやずやさんの話を文学の話に置き換える 丁寧な作業、これまでの歴史はこうなっていた、文学はこうなっていくだろう 連続性があって成り立つ もう一つ、MADの話 文学的にいえばテクスト論 すべてのテクストを完全に材料に還元してしまって、 材料をどう結びつければ有機的になるのか [やずや] いいタグ付けた人はいい批評家なんじゃないか タグによって違うコンテンツが生成される すごくいいタグをつけたらそこからどんどん出てくる スーパーフラット 若冲北斎と今の文化をタグで結びつけるみたいなかたちで 村上隆はやっていた [藤田] ラルクさんというのは2chとか超やっているやつで 類似性の話ばかりやっている 未開人の発想 馬鹿にしていない プレモダンのブリコラージュ インターネットはそういう傾向 時間間隔もない プレモダンに戻っている 福嶋さんなら神話というだろう [筑井] プレモダンに戻っている ポストモダンとはどう違う? [藤田] プレモダンは周期的に祭りがあってキャンセル ループもそれに近い 昔は祭りが周期的にあった 今は2chでわーわー適当にやっている そういう違いはあった ポストモダンマルクス主義的なものに対するアンチテーゼ [筑井] 三ツ野さんポストモダンとはどういう寄る? プレモダンに寄ってるのかどうか [三ツ野] 寄るとか寄らないとかじゃなくて ポストヒストリー 文学史、文芸批評史がなくなった、歴史の終わり 今はポストモダン そこで批評家がやることはそれでもまだ物語が続いているかのように文学を語るのか、それとも [筑井] 大きな文脈の中に位置付けるというのはポストモダン的なものとは相容れないんじゃないか [三ツ野] そういう批評は困難になっている 困ったね [藤田] 細分化のせいですか [坂上] ブリコラージュ 100個素材があったら、どれを自分の素材にするかは恣意的 ある程度の歴史性があれば、恣意性が薄れている 連続性がある ブリコラージュ的にやっていくしかない 恣意的にやるのはフィクションでしかない 批評がフィクションになっているという状況はどうか 僕としては批評はでっちあげ まるですごいことを語っている ある種の詐欺師 どうやって詐欺をやりながら説得力とか有効性を持たせるか [筑井] 結構同意する 批評の世界とアカデミックな世界の違い アカデミックな世界は穴がないようにブロックを積んでいく 三ツ野さんもそうでないと嫌だって感じかなと でも批評はもっと柔らなくていいのかな [坂上] ラルクさんの論理というのは [藤田] 筑井さんを狙っていろんな男が求愛している 将棋に喩えて、筑井は王将だ ゼロアカ道場餃子の王将のような熱気に溢れている [坂上] 誰からみても説得力がない [やずや] 横に横に逸れて行く 俺もそうだからすまん [藤田] フロイトがいうには夢とか無意識はそう [坂上] ゼロアカと王将の間に説明がないなら頭おかしい 頭おかしいと思われないようにロジックで埋めていくのが批評 [筑井] 詭弁を弄した者勝ちになるのではないか [藤田] 批評はそれ自体がひとつの文芸作品、芸術 面白ければそれでいい 面白さは人による 社会的に見通しが付くことが面白い人、言葉遊びが、パラドックスが、世界認識が変わるのが、 ある面白さをあえればいいのではないか ラルクがいうには類似性の意外性は面白さの根拠 フロイトもいっている [筑井] それで納得? それでいいの? [藤田] いいかなと [やずや] 藤田さんは実存と結びつけた言説が多い 単純な操作だけじゃない 俺が、と [藤田] その方が結果的に質の高いものがでるだけ [坂上] 対象として何を選ぶかも問題になっている 今いる面子の中で言えば、僕と藤田さんは文芸批評を基盤にしている なんで文芸なのか [藤田] 面白いと思うものを探して芋づる式にやった 時間は有限だから全部は無理 その中で選ぶのは何があるのか 社会に必要だから、売れそうだから、編集部が求めているからというのもある 自分の実存が駆動するというのもある [坂上] やずやさんはもっと広い意味の批評を考えている 文芸でも音楽でもネットでもいい 面白いというコンセプト どこでいいから提示する 雑食 これからの批評家はそういうふうに知識人的に振舞うのか、ジャンル批評家をやるのか どっちを選ぶのか迫られる [筑井] 三ツ野さんはジャンル批評家になるべきか、もっといろんなことをやるべきか 態度決定を迫られるとかいている 三ツ野さん自身は? [三ツ野] ジャンル批評家はSFっ評論家とかアニメ評論家とか そういう批評家にはなる気がしない [藤田] 宇野さん的に全体性、時代の想像力を浮かび上がらせる? [三ツ野] 難しいけどそうじゃないと面白くない [藤田] 全ジャンルを見渡すのは難しい [三ツ野] 全体を見通すことは大変だけど、前衛性を見通すことが可能なのことがある 東浩紀美少女ゲームを論じることに説得力があるとすれば、 美少女ゲームが現代文化で最も尖がっているから むかし純文学はそういうものだった 前衛にある これこそが新しいと思ったらそれを論じる [筑井] 今は何が面白い? [三ツ野] わからない [藤田] なにが新しい? なぜ東さんが美少女ゲームを選んでいる [三ツ野] 宇野さんはテレビドラマが新しいという話をしている [坂上] 藤田さんはジャンル批評家と知識人的な批評家は二項対立ではないという それは正しい Aしか知らないのでは批評はできない どこか対象そのものとは別のところにある対象に有機的に連結させなければ 批評とは言えない ジャンル批評家をやっていても他の知の体系に触れていくことは必要 今は10年前と比べても摂取できる情報は多くなっている 全部に触れるのは無理 どう誠実な態度をとるのか 全部吸収するという欲望を抱えながら断念しないといけない ここまでしかわからない 小林秀雄大岡昇平の対談 小林はサルトルに文句をつける じゃあ呼んだのか?読んでない これくらい図太くていい 自分の知らないことがあったら不利になると思って喋っている 教えてくれといって議論を発展させるという態度 そういう態度をとらないといけない 当たり前のことかもしれない 当たり前のことを実践できている人は少ない [*] 当たり前 [藤田] 当たり前のことだと野次が入るというのはもっと大したことを言わなければ [*] いまの話ではやずやさんは批評ではない? [坂上] そうではない [藤田] 2chをぜんぶ読むのは無理 まとめサイトに依存している [筑井] Googleがやろうとしていることって全体性を何とか処理しようとしているという意思がある [やずや] 全体性の意思をベタに持っている [藤田] 批評家じゃなくてコンピュータ 人間では把握できない [やずや] Googleは文脈が作れない 自動的にGoogleが生み出すことはない 繋いで整理する そこから文脈は生まれない しかし文脈が膨大に生まれていく仕組みを作った [筑井] 色んなものにアクセスできるようになった 世界中のありとあらゆるものをデータにして押さえる Googleが意思をもっている [やずや] 単線的なメディア、磁気テープだったら歴史がある ランダムアクセスメモリはリニアではない ランダムにアクセスすることは前提 文脈は一人一人違うのが前提 [藤田] 大学院でコンピュータに作品を理解させて批評させるということを手伝っている そのうちうまくいくかもしれない もし人間が全体性を把握することは不可能ならコンピュータに任せる [やずや] 人工知能みたいなところに陥るのではないか [坂上] そろそろ休憩
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[藤田] 観客から問題提起を受け取った 市場なり、受けることなりが、東さんの批評家としての正当性を担保している 市場という原理を見落としているのではないか ネットで受ける 隙のあることを言う 挑発的 売れる 権威化 批評家であるから批評だ そんな市場という側面を見落としているのではないか という提案があった [*] 強度のある批評とない批評ができる おそらく東さんがゼロアカ餃子の王将だといえばおそらくおk 2chコテハンが言えば違う 権威が崩壊してしまった今 市場でのキャリアでのみ正当性が担保されているのではないか [三ツ野] 批評家とか知識人が権威化するときに、 すごく難しいことを理解している、西洋の最新議論を知っている、 一時代前だったら権威は外国から来ている 最近はそういうのがなくなったかな 東さんというのは最初にデリダ論を書いた それが結構効いている それ以降の人は、批評のドメスティック化のようなものがあり、 批評の権威を構築するのが難しくなっている 日本人は海外の最新理論が偉いとは思わなくなっている [白石] 批評自体に権威はいるのか? [三ツ野] 今批評家になるという志が保守的な志なのではないか [藤田] 批評というジャンルを延命 危機的状況であるということでそのジャンルを延命 東さんはクリティックに対するクリティックで延命 そのやり方をわれわれは同じことをやっている やばいやばいと反復している [筑井] 批評ってやばいんですか? そんなやばいと思っていない むしろみんながブログをやり色々なことを考える人間がいる アクセスしやすい いろいろな質 たくさん簡単に見る 「思想地図」が15000部売れた やばくない 批評というのは偉い人たちが難しいことを語るものじゃない 自分の違和感を語る 広がっている いいこと [藤田] 職業としての批評家がやばい ブログじゃ金稼ぎにくい ネットと紙媒体の資本と象徴資本の差を埋めた方がいい [やずや] アーティスト言ったもん勝ち問題がある 情報を作り出す仕事は形がないから最終的には権威を召還してしまう 車を作る人は車があれば、、、わかりませんすみません [三ツ野] 「批評空間」と「思想地図」を比べたとき 批評という言葉が思想に変わった これは大きい 批評空間は海外の哲学者の翻訳が載っていた それと並んで誰々が載る そこに権威がある 思想地図には翻訳がほぼ載ってない [藤田] 思想地図シンポ1200人来た 正当性担保 [筑井] 商品化 自分自身にこれが意味がある面白い、 何らかのプラスな評価、位置付けをするというのではなくて、 たくさん売れるものということで価値判断 やばい [藤田] それは欠点もあるしいいところもある 市場の人々はちゃんと判断ができているのか [三ツ野] 「思想地図」の社会学者の論文を見ていると、 これは「思想地図」ではなく社会学の学会雑誌に載っていてもいい 斉藤環さんが昔言っていた 殺人事件などが起きたときにマスコミは作家に聞いていた 作家が人間、社会のことを一番良くわかっている しかしある時期から社会学者や心理学者に取材がいくようになった 世の中の事を一番よくわかっているのは彼らだ、 という雰囲気がいつの間にかできていて それが「思想地図」にも反映されている 批評の雑誌という感じはあまりしていない [坂上] 文学的なニュアンスが剥がれ落ちているという話? [三ツ野] 小林秀雄は僕という一人称 加藤典洋さんまで 初期柄谷行人 ある時期から我々 一人称が欠けてくる 批評的な文章に私という実存のようなものが欠けてくる 批評というのは思想、学問になっていく [*] 他の4人は思想地図を批評だと思っている? [藤田] 批評であるかどうかは問題として存在しない [*] じゃあエンターテイナーでいい [筑井] それでいいの? [藤田] 僕個人のことをいえば批評家を名乗る必要はない エンターテイナーでいい 市場の話とか釣りの話とか、クオリティより如何に集客するか 大衆はクオリティを判断できない それをわかる人として批評家がいた 批評も市場と人気しかないのなら批評家になる必要はない クオリティを疑問視はしていない それを評価できる人を評価する人がいない [坂上] 批評家について批評する人がいない [藤田] 編集者がわかっているのかとか色々な問題を孕んでいる 市場も編集者もわからない 同業者もわからない ただのきちがいかもしれない [筑井] どうやって批評する対象を選ぶの? [藤田] 直感 [*] それは市場じゃないの? [藤田] 市場と無意識は違う [*] それは市場で作られているんじゃないの? [藤田] イコールではない 三ツ野さんとかやずやさんが書いていた これからの批評家はどうするか コミュニケーション指向メディアで知名度上げていくタイプの批評家 僕ですね 僕はおかしいので僕自身もあまりいいとは思っていない [やずや] いちいちこれは批評かどうかというフィードバックなく読んでいる 答え出ない問題 もともと工学部 工学部には批評がない 昔の論文を見ることはある 心理学かとか工学かという話で、人文的な知が必要なくなってきたという話 なぜか僕は批評に惹かれてしまった 意味を求めているという寒い答えしか出てこない 黙った方がいいな 誠実に答えると、でも人は意味を求めるとしかいえない やばいなあ 一回性とか単独性とか特異性とか そういうほうにいくとわからなくなっていく でもそういうのがあったほうがいい [坂上] 何のために批評をやるのか みんなに語ってもらえれば [筑井] 小説であるとか映画であるとか色々な表現のジャンルはある ただここにいる人たちは批評というものに惹かれてしまっている [*] すみません 質問してもいいですか 一万部デビューということで市場に支えられた批評家になられる 私たちに何をさせたいのか [坂上] すごい大まかな話にすると 現代の2009年の文学に新しい見通しを与えてくれる 純文学だけが文学じゃないという視点を与える 文芸批評というときに純文学が対象になっている [やずや] お金で買ってくれる 本音で言えばクリエイティヴコモンズ的に共有したい喜びがある こんなの思いついた 読んだ人が触発されてキャッチボール お金のためとかは考えていない こんな面白いこと考えてみたという投げ掛け コミュニケーションとかそういう交流ができると アイディア思いついた瞬間気持ちいい [*] ブログじゃ駄目なのか [やずや] 30人くらいしか読んでない [藤田] 格差社会を打倒するとかはどうでもいい したかったら好きなことを [三ツ野] 一万部は大きな数字 講談社BOXは批評よりは小説のレーベル もし僕が出したら、 初めて批評的な文章を読む人に批評的な考え方って面白いんだなとか そういう届き方をすればいい 読んで元気が出る、勇気が出る そんなことを考えている [筑井] 何故批評をやるのかということは何度も言っているけど、 違和感を言葉にして対象を定めて対処法がわかる 小説、批評を読んで、もやもやとした感情、 仮に拒食症になったとしてどういうロジックでなっているのか そういうふうに対処法を見つけられる 感じている圧倒的な違和感をなんとかしたい 世の中にも何か違和感もってるんじゃないか それを名指すことができるんじゃないか 私は他の人よりも少しうまく言葉を使える 言葉を与えて解消する手段を見つけられるかなと 色んな本で解消されてきた、救われた苦しい原因がわかった そういうものを出すことができればいいな [*] ありがとうございます [坂上] 今の質問の答えは何のために批評をやるのかという答えになっていた 質疑応答に入る [藤田] 結論出してないよ [*] 一番部本を出すとどれくらい売れると思う? [三ツ野] 今日何人来てくれるのか全然読めなかった よくわかりません [坂上] 2万部 僕は楽天的 結局のところ、講談社BOXの後押しと東浩紀の名前で1万はいく なんとなく買わなきゃという意識は働く どういうものを出しても1万部ははける その後あいつの本面白いらしいとかいわれて2万部 1万部という数字は心配していない [筑井] 東さんの本の初版8000 [坂上] 弟子は師匠を超える [藤田] キングは年収13億 これを超えるには1300万部 だから1300万部売れる [昼間] どうも昼間でございます 藤田君に質問 社会のことは関係なくて面白ければいいというわりに、 署名の賛同人になったり結構社会に関わっているのではないか [藤田] 僕がぶれているから [筑井] 私は自我の一貫性を疑っている さっきまでうどん食べたかったけど今はそば そういう自我の欲望はずれている ああ勉強しなきゃ漫画読みたいジレンマ 藤田さんは始めから自我は一貫してなくていいんじゃないかという態度をとっているのか [藤田] 近代的な自我モデルからポストモダンのキャラ型自己モデルが前提 更に矛盾していていいという態度 ロマン派 一貫していないという一貫性を持っている [筑井] いいの? 納得してるのかなと [藤田] 俺は納得している みんなが怒っている 無責任な主体 同時に矛盾した思想を抱え込むことは可能なのではないか [三ツ野] 今の話はよくわからない 本音では別のことを考えていても、俺の今までの批評的枠組みだとこれは褒める 本音とは別で文章上では一貫 ある程度そうあるべき [筑井] 褒めることと批評することは違うよね [藤田] 違います [筑井] 批評するというのは何らかの作品を扱うことになる 注目を集めることになる 褒めるのではなく貶すのではなくなんらかに位置づける、繋げる 色々なやりかたがある 批評することが褒めること貶すことであると考えるのは嫌だな [坂上] みんなそうだろう ある種の分析の体系についての話 結果的に褒める貶す 別の話 [*] どうしてブログじゃ駄目なのか ここでダブルスタンダード 一億総表現社会なのに本 みんなのハードルを下げつつも私に共感して ここに権威が入り込む ある種の職業倫理 自覚的であるべき なんでも言っていい といいつつも自分の意見がいいんだ、一万部売れる 誰でもいいのにどうしてあなたがいるのか その権威性はどう思っているのか [坂上] 一億総表現社会は誰もが同じようなレヴェルの批評を書くというわけではない 大抵のブログよりは自分のブログのほうが優れている しかしブログで公開しても影響力が弱い 500とか700のブックマークの記事 500とかでしかない それに対して一万 パイが違う より影響を与えられるポジションにいきたい そういう欲望がある だから紙媒体 [*] 権力? [坂上] 権力のない状態で発しても届かない 権力のためだけに書いているわけではない 2割か3割くらい権力 [*] なぜ影響力を持ちたいのか [三ツ野] 持ちたくないですか? [*] 持ちたいけど [藤田] 金と権力が欲しい ピラミッドを作らせてみたらどういう気持ちになるか考えてみた すごく気持ちいい みんなが拝む石版になったらどうか すごく気持ちいい [筑井] 自分の得意分野を生かして世の中の人を楽しませる 私は文章を書くのがちょっとだけ上手な人なのかもしれない 言葉にできない人達に届けばいいかな 得意とするもので還元 [やずや] 僕が権力欲してたらこんなふざけた名前は付けていない 逆に言えば照れかもしれない 反省もしている たまに権力があるといいかもしれない 書いてるときに面白いと思える瞬間がある その体験をやってブログにアップする だんだん友達ができてくる 友達が東さんを教えてくれた そういう経路があった 権力だからというより、媒介でここまできた 次は本名を出す 自分が残ってしまったことにちゃんと向き合おう 自分なりの答えを模索中 [三ツ野] 一億総表現社会とかは正しくて新しいかもしれないけど 書籍のなかでそれをいうのはおかしい 書籍媒体にネットとは違う何かがあるんだ 権威性と言われようが、書籍がまとうオーラを信じているとしか言えない すごく保守的だと自覚している [松平] ユリイカの坂上さんのも呼んだ 文章うまい 面白い 東さんとの差異はどう考えているのか オリジナリティがないといけない 講談社も膨大な赤字 ゼロアカとかやってる暇ないんじゃないか ユリイカで書くことを目指しているのか 群像だって潰した方がいいんじゃないかという気もする これからどんなふうに批評家として社会的な地位 権力とか金とかふざけんなという感じ 政治家になれ 単に文章がうまいならブログでも そこら辺は気になる [坂上] 質問が広くてわからない [藤田] 劣化コピーとどう違うんだ [坂上] 同じものをやっているつもりは全くない どういうふうに劣化コピーに見えているのか それを聞けないと説明できない [やずや] 劣化コピーからはじめればいい 模倣から学ぶ 媚びてるだけだと言われるかもしれない しかし人文知は師匠がいて尽くす 芸能の世界 工学とは違う 異様に思う 何か意味があるのではないか 落語とかの世界に近い 誰しも劣化コピーから始まる 勉強していきたい [藤田] コピーで何が悪いんだ 劣化コピーでいいんじゃないでしょうか でも必ずコピーエラーが起きる 第4次関門ではエラーが起きてひどいことになった [三ツ野] オリジナリティがあるかないかは人が判断することなのでがんばります [筑井] 東浩紀さんの長いこと追っかけをやっていた だから劣化コピーなのかもしれない でも出自も抱えているものも違う 私の違和感の説明に東さんは使えるけど 東さんの影響だけを受けているわけではない 援用はするかもしれない でもそれだけではない [坂上] 締めの言葉を頂く [昼間] ここで東さんからお電話 [東] 聞こえていますか? [藤田] 宇宙にいるんですか? [東] どうも みなさんどうですか調子は 誰の声も聞こえない 会場何人? [藤田] 70 [東] 素晴らしい 今までどんな話? [藤田] ゼロアカについてとか みんなについて 批評の明日 [東] どういう結論がでたのか [坂上] 結論ですか とりあえずゼロアカと批評の話 結論は生まれていない 多様性がひとつの結論 結構まじめにやった おそらくは結構うまくやれた 会場からの声援がほしい  拍手 [東] ゼロアカ生のイベントにこんなに来てくれてありがとうございます 明日の朝から講談社BOXのホームページで 第5次開門の参加希望者の募集が始まる 先着順かもしれないしそうじゃないかもしれないけど、 頑張ったほうがいいんじゃないか [坂上] ありがたい一言もいただいたことだし締めますか 何のために批評をやるのか簡潔に答えると 本当だったら結びつかないだろうことを結びつけることに快楽を覚える 本来繋がらない筈のオブジェクトを結びつける フィクションの要素が強い 物語を作るような気持ちで批評を書く 単なるロジックには還元できない [やずや] 今日出てきた議論で歴史性がないとか色々出てきたけど 第5関門のプレゼンで自分なりに考えてみたことを言ってるけど 答えられているかどうかわからないけど考えてみたので 面白いなりつまらないなり思っていただけたら幸い [藤田] どうやったら批評の明日があるのか答える みなさんが本を買えばいい 編集者が僕に仕事を暮れればいい [三ツ野] 批評の明日はないかもしれない でも頑張ります 歴史性とか結構プレゼンでやるつもり 僕のプレゼンを見るときに今日の話を思い出してくれたら [筑井] これだけの人数に集まっていただいたことに驚愕 びくびくしていた 壇上の方が人多いんじゃないかとか 運営でばたばたしていたけど 来てくださってありがとうございました みなさんのおかげで成功したといっていいいのかな 批評をみんなもっとやればいいと思います [坂上] これにて終了 [藤田] 壇上うろうろしなくていいの? 峰尾の真似をやります [坂上] というわけで今度こそ終わり ありがとうございました