広告コピーってこう書くんだ!読本

広告コピーってこう書くんだ!読本

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文字が大きいのですぐに読める、というかこのでかさで1800円+税というのはどうなんだ、と思ったけれど、読みやすくて良い本でした。

内容は書名のとおりです。コピーの作り方をいろいろな事例を素材に説明しています。なぜこのような本を読むのかというと、会社の試験対策です。ただ、このような構造を持つ本を何冊読んだとしても、大して成長はないでしょう。アイディアを出すということに関して本を書くと、どれも似たような内容になるんじゃないかと想像されるからです。よほど変な人でないと、このような分野で画期的な新理論をでっちあげるのはとても難しいのではないでしょうか。

その中で良し悪しがあるとすれば、それは説明のうまさと比喩のクリエイティヴィティでしょう。そしてそれはコピーライターの腕の見せ所であり、この本は高いレヴェルにあると思います。例を挙げると…「剣豪コピー」「将軍コピー」とか。

一番面白かったのは、「そりゃそうだ」「そういえばそうだね」「そんなのわかんない」という、常識とコピーと芸術の三文法の話。常識と芸術の間にあるコピーは「そういえばそうだね」が基本。そして時代によってそれらの境界も変わってくるという話。このくだりを読んで自分も「そういえばそうだね」と思わざるを得ません。もっとも、本書にもあるように、90年代以降のコピーはそうでもないようだけれど…。