コモンズ

コモンズ

コモンズ

『CODE』はインターネットの規制全般の話だったけれど、本書はイノベーションに焦点を当てています。様々な具体的なメディアのイノベーションと、それを阻害するコントロールの歴史が記されています。歴史から学べることはたくさんあります。そのため、レッシグの主張とは裏腹に、大企業によるコントロールのノウハウ本としても使えてしまう(かもしれない)本。

本書の書かれた当時と現在を鑑みると、本書で描かれる未来は悲観的すぎるのではないかと一瞬思ったけど、良く考えたらプレイヤーがGoogleAppleに変わっただけで事態は好転していません。特に近年のAppleiPhoneアプリの規制にまつわる報道を読んでいると、むしろさらに危ういバランスになっているのではないかと思いもします。

ただ、Appleによるコントロールは、それが明らかにコントロールであるとみんなが思っています。何しろ規約に書かれている! それよりも、コードによるコントロールにもっと人々はセンシティヴになるべきでしょう。コードによるコントロールの危うさは、それがスマートに思えてしまうことです。おそらくエンジニアは、スマートなことを許してしまう。これは危うすぎる!