花と太陽と雨と-終わらない楽園

花と太陽と雨と 終わらない楽園

花と太陽と雨と 終わらない楽園

シルバー事件』をやっていないせいもあると思うのですが、最後まで意味不明な内容で、ゲームはここまで自由で良いのかと衝撃を受けました。いや自由なゲームは他にもたくさんあります。しかし世の中には、本当に低レヴェルなために自由を獲得しているゲームと、あらかじめ意味不明であることが分かりきっているゲームがありますが、このゲームはそのどちらでもないので衝撃なわけです。

とりあえず売り方がおかしい。DS版は謎が50追加!とか言われるとまるでレイトンのようなゲームだと思ってしまいます。しかしそんなことはありません。このゲームの「謎」とかいうのはどう考えてもゲームっぽくするためにしょうがなく付けた感があるので、少なくとも、(追加されたのではない)本編にある「謎」に関しては、プレイヤーはくだらねえと思いながら解く事になるでしょう。ただの足し算だったりするし、本当にくだらない。これは脳トレなのか? 実際のところ、ADVゲームの理不尽さを表現しているのでしょう。まったくアートですね。しかしそんな「謎」を50追加するよりもシナリオの解答を50追加して欲しいところでした。

また、どうやらこのゲームは、スミオとトリコの2人の主人公を交互に操作してザッピングするストーリーを楽しめるということになっています。しかし実際は、トリコを操作できるのは一瞬。後は見てるだけ。見てるだけでもザッピングという言葉から期待され得るストーリーが展開されれば良いのですが、そんなことはなく、トリコに対してちょっとキャラクターが反応するくらい。こんにちは、とか。謎以上にこれは詐欺です。

物語も、探偵ものかと思いきやまるでカフカで多くの人は期待を裏切られるでしょう。良い意味で…の人が多かったら良いのだけれど。まあループものとしては、結末は割と類を見ないものだと思うので個人的には面白かったです。

頭のおかしなゲームを頭のおかしなゲームとして売ることは出来ないのでしょうか。自分は頭のおかしなゲームが好きなので、このようなゲームをたくさんの人にやってもらいたいですが、騙して売って多くの人を失望させてしまうのであれば果たしてこれで良いのかと思ってしまいます。これくらいの誤配は肯定すべきなのかなあ。むしろ稀有な事態だと喜んだ方が良いのでしょうか。ただ少なくとも、ゲーム業界の厳しさは感じられます。頭のおかしなゲームを頭のおかしなゲームとして売って、商売が成り立つような世界になって欲しいものです。