ハッカーズ

ハッカーズ

ハッカーズ

「真のハッカー」「ハードウェア・ハッカー」「ゲーム・ハッカー」という3種類のハッカーたちが登場し、それぞれの勃興と終焉が描かれます。

ギリシャの哲人のようにコンピュータと向き合い、精神的な営みにまで高めていた「真のハッカー」たちが、現実と折り合いを付けなければならない時の挫折。その描写が素晴らしい本です。特に、ハッカーと世界(NASA)との対峙は感動的。本当にすごい事、世界の変革(有人ロケットの打ち上げなど)を実現するには、ハッカーであるだけではならない。そのことを目の当たりにして成長する物語なのです。まあ本当に成長しているのかはわからないけど。

それ以外の2つのハッカーたちの終焉も叙情的に描かれます。時代の終わりは寂しいものですね。1984年の段階でこんなに終わりがあったとは。

単純に、知ってる人や知ってる会社が思いもよらぬ文脈で出てくるのも楽しいです。スクウェアに入る前のナーシャ・ジベリとか。あと本書のEAのイメージが今と一緒ですごい。会社は変わらないものだなあ。