ノルウェイの森

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とか読んでも、なぜ村上春樹がこんな売れてるのかよくわからなかったけど、これなら売れてもおかしくはなさそうだ、と納得しました。素朴に、割と多くの人が良いと感じるであろう要素が、詰め込んであります。まあそれは、売れる小説の前提条件なのだろうけど。

ガツガツせずに多くの女の子と遊ぶ生き方を提示しているのも人気の要因なのだろうけど、現実世界ではなかなかうまくいかないものなのでしょう。

ところで、この小説は売れたものだから、メンヘラが出てくるこの小説が好きなメンヘラは多いと思います。そしてある程度の希望を与えたのかもしれません。しかし希望を与えつつ、一方で自殺を促してもいるのではないか、とも想像しています。でも残念ながら大抵の現実は、この小説のように自殺は物語性に富んでもいないし周りの人に感動を与えたりするものではありません。まじつまらない。この点は大変注意すべきことです。