記憶映画3本立て at やまばとホール

明日の記憶 - 医者が、母親がアルツハイマーで…と言うくだりは、医者による創作なのではないか。そういった嘘をついて患者を安心させるのは良い戦略だと思います。そして、自分が映画を撮るのであれば、患者の居ないところで、あれは嘘なんだけど…と告白するシーンを挿入します。この映画は良い人が多い優しいものだったので、そういった悪趣味なシーンはありませんでした。

博士の愛した数式 - 素数は暗号として戦争に使われる、といったステレオタイプなものの見方はあんまり好きになれないなあ。原作は読んでいないけれど、お話やキャラクターは結構膨らまされているようで、原作はどうだったのか気になる。背番号が√なのは絵的に面白い。細かい事だけど、キャラクターがヘッドフォンを外すとBGMが切れる演出が良かった。ルート少年が誕生日に貰ったグローブは、博士が義姉に買ってくるように言ったのではなく、義姉自身が自ら買ってきたものではないかと疑ったり。あと、博士が子供の安全に対してすごく神経質なのは、何かトラウマが在るからかと思ったんだけど…

私の頭の中の消しゴム - 明日の記憶と同様に若年性アルツハイマー病を扱っており、かなり似ているシークエンスがあります(本当に比較すべきなのは原作のドラマなのだと思うけど)。特に、医者が、妻をアルツハイマー病で亡くしているところとか。この事を言うのは看護婦なのだけど、やはり自分はこれは嘘なのではないかと疑ってしまいます。しかしこの医者の病気の宣告の仕方はやはり酷いと思いました。チョルスが怒るのは仕方ない。ここは確かに仕方ないと思うけれど、キャラクターが過剰に暴力的で頭が悪いと思わされるところは沢山あります。なんでこの人たちはこんな極端なんだろう…。あと、「許し」がサブテーマになっているようだけれどよく分からず。