はれた日は学校をやすんで

はれた日は学校をやすんで (アクションコミックス)

はれた日は学校をやすんで (アクションコミックス)

いわゆる叙情的な暖かさと「近所のがきをだましてばかりいる」みたいな性格の悪さが一人の人間の中に共存できているのがすごい。でも、性格が悪く、身勝手で、向こう見ずな、要するに頭の悪いキャラクターを描くためには、作者も徹底した俗人間であった方が良いのでしょう。描かれているのは俗人間のシミュレートではありません。何だか当たり前のことを書いているような気がしますが、でもきっと、大切な事に違いない。

叙情漫画を描く時の、作者の精神状態がどのようなものなのか気になります。叙情漫画を描いて読者を騙してばかりいる嘘つきか、スキゾフレニーか。と言いたくなるほど、この共存は不思議です。

表題作は読みやすくて好き。あとは「しんせつなげんちゃん」が特に好き。