シンセミア

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

よくできてるなー。地方の政治に大変興味が出てきました。面白い群像劇は奇跡的な確率で人間関係が絡み合っているわけだけど、地方の小さな町を舞台にすれば、それは奇跡ではないような気がしてきます。地方は良いな。もっとも、登場人物たちが悉く問題を抱えているのは、地方であろうとなかろうと奇跡的なことに思えます。

読んでる途中は神町の個人情報データベースのゆくえが気になっていたけど、後半、収束に向かって話が動きだしてからはそんなことはどうでもよくなりました。話の視点がどこに移っても面白い。

しかし太字の楽しみ方は最後までわからずじまいでした。自分はリッチテキストな文芸にまだ適応できていないのかもしれません。