基盤ソフトウェア 7/3

1週間あいてしまって何をやっていたのか覚えていない
この授業は「基盤ソフトウェア」ということで
VMとかOSとかいろいろなことをやっていた

幸いなことに今回と来週を含めて2回で終わり
お互い嬉しいなあと思うところ

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今日は毛色を代えてテクノロジーの話ではない オープンソースソフトウェアの話をする ようするにライセンスの話とかそういうことをする ネタ切れかかっているというのも本当のところ なんでこんなことを話すのか 理由は簡単 最近は基盤ソフトウェアとしてオープンソースのものが使われることが増えてきた 重要な現象 6/29にGPLv3が公表されたし時事ネタでもある 昨夜の1時頃に現実逃避をしてニュースサイトを見て、急遽やることにした IT産業に対するインパクトとかそういう社会的な話を皆さんと考えたい OSSフリークな人が混じっていると、 その定義はおかしい!と言われててきとうな話はできない ときどきアクティブな活動家が混じっていて怖い 大雑把にいうと、ソースコードが公開されている 自由に使える Free = 無料で使える ソースコードの改変と再配布の自由 社会的経済的にインパクトが大きな部分 sunの分散ファイルシステムプロトコルソースコードは公開されていた 著作権はsunにあって、勝手に製品に組み込んだりしてはダメという条件がついていた 違ったかな?見るのはいいけどとかか プロトコルがよくわからないからソースコードを見て研究 だけど勝手に改造したりしてはいけない OSSの場合は改造した結果を別な人に渡してよい それが制限されることがない その結果、ソフトウェアの開発に誰でも参加できる
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産業界におけるオープンソースインパクOpenOfficeとかFirefoxとかそういうOSSもあるけれど 一番成功しているのは、基盤ソフトウェアの分野 なぜ共存可能なのか 企業で働いている人は自分の首を絞めていることになるのではないか 産業界というのは アプリケーションソフトを作っているだけではなく 企業向けのITシステムを作っている SIer 皆さんがソフトウェア会社に就職するとすればだいたいSIer 企業が使う経理システムに始まって資材工場の管理POSシステム ああいったシステムを作るのが一番マーケットが大きい 最近はWeb系が多い サーヴァを作って設置してその会社の業務フローをコンピュータシステムにして納める サーヴァ用のOSは必要 DBも必要 Webシステムを作るにはいろいろなミドルウェアが必要 今まではそういうものは全部IBMとかIBMとかIBMとか他社の作ったものを買ってきて 機能を作りこんで納入する、というのがほとんどだったけれど 今はOSSに置き換わっている IBMだったらDB2という高いソフトウェアをみんなに買ってもらっていた Webサーヴァにしても安っぽいものではなくて CPU一個につきいくら、とかそういう商売をしてきた SIerJavaなりCOBOLなりでプログラムを書いて納めてきた OSSに置き換わって 基盤ソフトウェアの部分でお金を取れなくなってきたので ビジネス的には大ピンチ? 嫌々OSSを使っているのか? 知っている人には自明だと思うけれど ・もともと基盤ソフトの分野では保守で利益を上げられる ・使い方がむずかしい MS Officeとかであればマニュアルなくてもインストールして起動すればなんとなく使える しかし基盤ソフトはそういうものではない そういうものを使うためにはトレーニングが必要 一般的な書籍を買ってきて勉強するという手もあるけれど効率が悪い 開発要因をトレーニングコースに放り込んで研修を受けさせる(お金があれば) ソフト自体をただで配られてもあんまり嬉しくなくて付帯費用がかかる 堅牢なシステムを作るには技術サポートが必要 でもトータルなコストは小さくなっている 自力で使う技術力があればただ
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あの手のOSSを作っている人たちっていうのはどうやって食べているのか ソフトを開発するにはお金が必要 Firefoxは上の方の検索窓がついていてGoogleからお金を貰っている Googleは世界最大の広告代理店 Googleは誰でも安く広告を出せるようにした 世界中から広く安く広告を集めることができた この利益の一部がFirefoxに回って、そのお金でFirefoxが人を雇っている コンシューマ向けのOSSは殆ど広告ビジネス 脆い経済基盤の上に成り立っている 雑誌やテレビ産業もそうだけど キー局の給料はものすごく高い キー局は総務省によって5局以上増えないことになっている 広告費が全部そこに流れ込んでいる 番組制作は下請け 安く買い叩かれている IT産業に相通じるものが…それを言うと暗くなるのでやめておく そこにIT産業が抵抗するのはある種当然で、 テレビ産業に楽天とかソフトバンクとかが流れ込んできて広告費が分散する 基本的には同じパイを奪い合っている なんとなく先行きは怪しい みんなが広告に依存すると 最後は誰かが広告費を払わないといけない 誰が広告費を払うのか みんなが広告を奪い合って肝心の広告を出す人がいなくなって 崩壊すると言ういやなシナリオ われわれはどうしたらいいのか IT産業から逃げ出す? ネットにしてもケータイにしてもただのサーヴィスが多すぎる 小銭を払うようなサーヴィスが定着すれば もうちょっとマシになるのではないか 安易なITサーヴィスは全部ただにしてユーザを集めて どうやって儲けよう、広告か みたいな感じで危うい 5年後くらいにそれで本当にIT産業がつぶれたら 千葉は正しかったと思ってくれればいい コンシューマ向けのOSSは広告収入 ビジネス向けのOSSの場合はもうちょっと状況が良くて 技術サポート コンサルティング
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一番有名なやつはLinux もともとはフィンランドの一大学生が遊びで作ったOS RedHat や IBMが推している なんでみんなこれで儲かっているのか? RedHatはサポートビジネス 今まではそうでもなかったけれど最近はサポートに力を入れている セキュリティホールが見つかったら自動でアップデートとか JBossを買収 WebアプリのOSSを出している 講習会をやったりサポート会社立てた 何かあった時にサポートするのは非常に大切 システムがダウンしたときとか トレーニングビジネスは儲かる うちの研究室で某SIerに就職した人が都内で研修を受けている 一日10万か20万のSQLを勉強するコース 今日はSELECT文をやりました くだらないけどお金がかかっているので寝てられない… とにかくトレーニングビジネスはお金が儲かる トレーニングビジネスで儲けたお金でソフトを作る しかしそのためにはソフトを普及させないといけない NetscapeMicrosoftのブラウザ戦争があって Netscapeは今のGoogleみたいな感じでベンチャー すごかった Microsoftは焦ってブラウザ作っている会社を買収して Internet Explorerを作ってWindowsに組み込んだ Netscapeは企業からはお金を取っていたので ただでばらまかれたIEによってつぶれてしまった 脱線するけれど ソフトウェアの小売は儲からないので企業や学校にライセンスでどかーんと売る どんどん個人を相手にしないという態勢になっている お金もうけたいならテレビ業界かな 規制なくなったらもう終わりなので 総務省の役人に接待して献金して楽天のスクープをばらまく 接待が好きな人は総務省に行けば良いんじゃないでしょうか IBMもけっこうLinuxにコミットしている でもサポートもトレーニングビジネスもしていない なんで儲かっているのか ハードウェアの利益率もどんどん下がっている 最近はコンサルにシフトしている コンサルティング会社アンダーセンを買収 コンサルティングからハードウェアまで扱う しかしどうしてOS/2AIXの技術をLinuxに投入して、 Linuxの開発に関わる必要があるのか IBMの普通の社員に聞いてもなんでですかねえと言われる 上の方のマネージメントの人に言わせると 敵を潰すため、というのが正直なところらしい OSから直接収益を上げる必要はなかった デファクトスタンダードに投資して、Solarisを潰しましょう Eclipseも同じ ボーランドやVisualStudioを潰すためにEclipseをただで配る 有料のWebSphereもあるけれどあんまりうまくっていない 最初は確かにEclipseは大した機能がなかったので VisualStudioくらいの機能が欲しければ有料のものを買うしかなかった しかしOSSなので年月が経つにつれて IBMの外の人が作ったプラグインが充実してきた だんだん熟成されてきて、無料で手に入る部分が増えてきた 今WebSphereの必要があるのは超ニッチ、超マイナーな部分 お金儲けという観点からOSSを考えると非常にリスキーというか面白い部分 ライセンスの話ができなかったけど終わり