1週間あいてしまって何をやっていたのか覚えていない
この授業は「基盤ソフトウェア」ということで
VMとかOSとかいろいろなことをやっていた
幸いなことに今回と来週を含めて2回で終わり
お互い嬉しいなあと思うところ
今日は毛色を代えてテクノロジーの話ではない
オープンソースソフトウェアの話をする
ようするにライセンスの話とかそういうことをする
ネタ切れかかっているというのも本当のところ
なんでこんなことを話すのか
理由は簡単
最近は基盤ソフトウェアとして
オープンソースのものが使われることが増えてきた
重要な現象
6/29にGPLv3が公表されたし時事ネタでもある
昨夜の1時頃に現実逃避をしてニュースサイトを見て、急遽やることにした
IT産業に対する
インパクトとかそういう社会的な話を皆さんと考えたい
OSSフリークな人が混じっていると、
その定義はおかしい!と言われててきとうな話はできない
ときどきアクティブな活動家が混じっていて怖い
大雑把にいうと、
ソースコードが公開されている
自由に使える Free = 無料で使える
ソースコードの改変と再配布の自由
社会的経済的に
インパクトが大きな部分
sunの
分散ファイルシステムも
プロトコルや
ソースコードは公開されていた
著作権はsunにあって、勝手に製品に組み込んだりしてはダメという条件がついていた
違ったかな?見るのはいいけどとかか
プロトコルがよくわからないから
ソースコードを見て研究
だけど勝手に改造したりしてはいけない
OSSの場合は改造した結果を別な人に渡してよい
それが制限されることがない
その結果、ソフトウェアの開発に誰でも参加できる
産業界における
オープンソースの
インパクト
OpenOfficeとか
Firefoxとかそういう
OSSもあるけれど
一番成功しているのは、基盤ソフトウェアの分野
なぜ
共存可能なのか
企業で働いている人は自分の首を絞めていることになるのではないか
産業界というのは
アプリケーションソフトを作っているだけではなく
企業向けのITシステムを作っている
SIer
皆さんがソフトウェア会社に就職するとすればだいたい
SIer
企業が使う経理システムに始まって資材工場の管理POSシステム
ああいったシステムを作るのが一番マーケットが大きい
最近はWeb系が多い
サーヴァを作って設置してその会社の業務フローをコンピュータシステムにして納める
サーヴァ用のOSは必要
DBも必要
Webシステムを作るにはいろいろな
ミドルウェアが必要
今まではそういうものは全部
IBMとか
IBMとか
IBMとか他社の作ったものを買ってきて
機能を作りこんで納入する、というのがほとんどだったけれど
今は
OSSに置き換わっている
IBMだったら
DB2という高いソフトウェアをみんなに買ってもらっていた
Webサーヴァにしても安っぽいものではなくて
CPU一個につきいくら、とかそういう商売をしてきた
SIerは
Javaなり
COBOLなりでプログラムを書いて納めてきた
OSSに置き換わって
基盤ソフトウェアの部分でお金を取れなくなってきたので
ビジネス的には大ピンチ?
嫌々
OSSを使っているのか?
知っている人には自明だと思うけれど
・もともと基盤ソフトの分野では保守で利益を上げられる
・使い方がむずかしい
MS Officeとかであればマニュアルなくてもインストールして起動すればなんとなく使える
しかし基盤ソフトはそういうものではない
そういうものを使うためにはトレーニングが必要
一般的な書籍を買ってきて勉強するという手もあるけれど効率が悪い
開発要因をトレーニングコースに放り込んで研修を受けさせる(お金があれば)
ソフト自体をただで配られてもあんまり嬉しくなくて付帯費用がかかる
堅牢なシステムを作るには技術サポートが必要
でもトータルなコストは小さくなっている
自力で使う技術力があればただ
あの手の
OSSを作っている人たちっていうのはどうやって食べているのか
ソフトを開発するにはお金が必要
Firefoxは上の方の検索窓がついていて
Googleからお金を貰っている
Googleは世界最大の広告代理店
Googleは誰でも安く広告を出せるようにした
世界中から広く安く広告を集めることができた
この利益の一部が
Firefoxに回って、そのお金で
Firefoxが人を雇っている
コンシューマ向けの
OSSは殆ど広告ビジネス
脆い経済基盤の上に成り立っている
雑誌やテレビ産業もそうだけど
キー局の給料はものすごく高い
キー局は
総務省によって5局以上増えないことになっている
広告費が全部そこに流れ込んでいる
番組制作は下請け
安く買い叩かれている
IT産業に相通じるものが…それを言うと暗くなるのでやめておく
そこにIT産業が抵抗するのはある種当然で、
テレビ産業に
楽天とか
ソフトバンクとかが流れ込んできて広告費が分散する
基本的には同じパイを奪い合っている
なんとなく先行きは怪しい
みんなが広告に依存すると
最後は誰かが広告費を払わないといけない
誰が広告費を払うのか
みんなが広告を奪い合って肝心の広告を出す人がいなくなって
崩壊すると言ういやなシナリオ
われわれはどうしたらいいのか
IT産業から逃げ出す?
ネットにしてもケータイにしてもただのサーヴィスが多すぎる
小銭を払うようなサーヴィスが定着すれば
もうちょっとマシになるのではないか
安易なITサーヴィスは全部ただにしてユーザを集めて
どうやって儲けよう、広告か
みたいな感じで危うい
5年後くらいにそれで本当にIT産業がつぶれたら
千葉は正しかったと思ってくれればいい
コンシューマ向けの
OSSは広告収入
ビジネス向けの
OSSの場合はもうちょっと状況が良くて
技術サポート
コンサルティング
一番有名なやつは
Linux
もともとは
フィンランドの一大学生が遊びで作ったOS
RedHat や
IBMが推している
なんでみんなこれで儲かっているのか?
RedHatはサポートビジネス
今まではそうでもなかったけれど最近はサポートに力を入れている
セキュリティホールが見つかったら自動でアップデートとか
JBossを買収 Webアプリの
OSSを出している
講習会をやったりサポート会社立てた
何かあった時にサポートするのは非常に大切
システムがダウンしたときとか
トレーニングビジネスは儲かる
うちの研究室で某
SIerに就職した人が都内で研修を受けている
一日10万か20万の
SQLを勉強するコース
今日はSELECT文をやりました
くだらないけどお金がかかっているので寝てられない…
とにかくトレーニングビジネスはお金が儲かる
トレーニングビジネスで儲けたお金でソフトを作る
しかしそのためにはソフトを普及させないといけない
Netscapeと
Microsoftのブラウザ戦争があって
Netscapeは今の
Googleみたいな感じで
ベンチャー すごかった
Microsoftは焦ってブラウザ作っている会社を買収して
Internet Explorerを作って
Windowsに組み込んだ
Netscapeは企業からはお金を取っていたので
ただでばらまかれた
IEによってつぶれてしまった
脱線するけれど
ソフトウェアの小売は儲からないので企業や学校にライセンスでどかーんと売る
どんどん個人を相手にしないという態勢になっている
お金もうけたいならテレビ業界かな
規制なくなったらもう終わりなので
総務省の役人に接待して
献金して
楽天のスクープをばらまく
接待が好きな人は
総務省に行けば良いんじゃないでしょうか
IBMもけっこう
Linuxにコミットしている
でもサポートもトレーニングビジネスもしていない
なんで儲かっているのか
ハードウェアの利益率もどんどん下がっている
最近はコンサルにシフトしている
コンサルティング会社アンダーセンを買収
コンサルティングからハードウェアまで扱う
しかしどうして
OS/2、
AIXの技術を
Linuxに投入して、
Linuxの開発に関わる必要があるのか
IBMの普通の社員に聞いてもなんでですかねえと言われる
上の方のマネージメントの人に言わせると
敵を潰すため、というのが正直なところらしい
OSから直接収益を上げる必要はなかった
デファクトスタンダードに投資して、
Solarisを潰しましょう
Eclipseも同じ
ボーランドやVisualStudioを潰すために
Eclipseをただで配る
有料のWebSphereもあるけれどあんまりうまくっていない
最初は確かに
Eclipseは大した機能がなかったので
VisualStudioくらいの機能が欲しければ有料のものを買うしかなかった
しかし
OSSなので年月が経つにつれて
IBMの外の人が作った
プラグインが充実してきた
だんだん熟成されてきて、無料で手に入る部分が増えてきた
今WebSphereの必要があるのは超ニッチ、超マイナーな部分
お金儲けという観点から
OSSを考えると非常にリスキーというか面白い部分
ライセンスの話ができなかったけど終わり