The Little Schemer

The Little Schemer

The Little Schemer

かわいいイラストと、食べ物の名前、そしてウィットに富んだ文章で彩られていますが、その実体は、禅問答のような質問と答えがたくさんひたすらしつこく続き、その中からプログラミングの秩序を見い出していく本です。SICPなどに比べればずっと簡単なので、Scheme初心者には相応しい本でしょう。

ただし、終わりの3章は、継続とYコンビネータと簡単なインタプリタの作成なのでちょっと難しいです。とはいえ、インタプリタは中途半端なものですし、Yコンビネータもかなり丁寧で、少なくとも一般的なプログラミング意味論の教科書よりはわかりやすいと思います。もっとも、この本はプログラミング意味論の本ではありませんから、Yコンビネータが出てきたところで、だから何!?と言いたくなってしまうかもしれません。まあそれは継続も同じか…。