アダムの肋骨

ジャンプスーパーコミックス。これはシリアスめな短編集。あと抽象的。

表題作は異星に住む怪鳥の腹が人間の女性に見えるからどうのこうの、という話だけれど、そんなことより足が人間の手に似すぎなところが気になって仕方ない。「貞操号の遭難」はうまいネタの話だけれど、そんなことより「貞操号」「処女号」「純潔号」というネーミングは何なのでしょう。「男たちの風景」はまさかのオチ。星の「風土」により、若い男はすぐに年老いてしまう。だったら若いうちに脱出した方が良いのではと思えてなりません。

「不安の立像」はこの本でもっとも抽象的な漫画だけれど、傑作。『箱男』を読んで箱男ごっこを行うように、不安の立像ごっこを誰かやり始めてもおかしくない。少なくともねずみ男のコスプレでないことはたしか。