情報環境論集―東浩紀コレクションS
- 作者: 東浩紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/02
- メディア: 単行本
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「情報自由論」と「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」と用語集が含まれています。
「情報自由論」は、既に東工大の授業を3年間も聴いていたために目新しいところはなかったけれど、やっぱりこれはとても面白いし読みやすい。あとがきで「世俗的な成功を収めた」とありますが、それも納得できる内容です。最終回にはルソーの「一般意志」にも微妙に触れていて、予定されているルソー論もこうした議論の延長線上にあるのでしょう。まだこの段階では、一般意志の捉え方が最近の授業や講演で話されている印象とは結構違うような気がしますが。
「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」は盛り沢山の内容。盛り沢山すぎてよくわからないものだけれど、「情報自由論」に比べると、計算機そのものの構造を哲学的に語っている部分が多いので、コンピュータに関してはほとんどネットワークばかり取り上げられる最近の議論から影が薄くなっている要素に注目が行きます。アルゴリズムやインターフェースなど。